獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-199806-123

イブより tomoさんへ
投稿日 1998年6月24日(水)10時36分 イブ

う〜ん、tomoさんの行っている病院は両極端ですね。いつも行っているところは、随分安いと思うし、他の病院はほんっとに体重と診察料だけで6000円だとしたら、これはまた高いと思います。だいたい動物病院の診療費は、使っている薬とか、どういう検査をどのくらいやっているかで違ってくると思います。日本の動物病院の一回あたりの平均診療費は、4000円〜5000円らしいです。もちろん、診療内容によってそれより高いこともあれば安いこともあります。動物病院は人の病院と違って、診療費が点数制で決まっていないのでいろいろな値段になってしまうのはしょうがありません。みんなで相談して同じ値段にしてはいけないと、法律で決められているのです。いつも行く先生は、触診だけで検査というものをしていなかったので安かったのかもしれません。でも、難しい病気になればなるほど検査というものは必要になってくるものです。
診療内容とその料金が割に合っていると思うかどうかは、その人によって違ってくると思います。私の病院では、高くなりそうな時はあらかじめその金額と理由を説明しています。その結果、その検査はしなくてもいいとおっしゃる方もいますし、ぜひやってくれとおっしゃる方もいます。それによって診療内容の質が違ってきてしまいますけれども、これはその方の選択ですからしかたのないことです。
なかには、私が説明を始める前に金額を尋ねられることもたびたびあります。だからといって、うるさいなぁと思ったり、怒ったりしたことはありません。金額が心配な時は、検査や治療が始まる前に思いきって聞いてみましょう。検査はしたいけれどもお金がないという時、分割支払いを受け入れてくれる病院もあります。

やっぱり、病院選びは難しいですね。かわいい子達が元気なうちに自分に合った病院を探しておくといいかもしれません。ここの関連フォーラムで、ネコのBBSがあります。そういうところで、おすすめの獣医さん情報を仕入れたりするのもいいかもしれません。

それからクチワですが・・・
病院のスタッフは、動物達にとっては苦痛を与える悪者としか思われていないので、意に反して危害を加えられることが度々です。噛まれたり、ひっかかれたりして、その次の患者さんの診療に差し支えるような怪我をすることもあります。なかには、右手が一生使えなくなってしまった獣医さんもいます。こういう事故はたいがい、きかない動物の時ではなくて、ふだんはおとなしい人懐こい動物の時に起きます。タカをくくって、油断するからです。ですから、自分の身を守るためにクチワをすることも多いです。tomoさんも、もし自分の飼っている猫が原因で誰かがひどい傷を負ったら平気ではいられないでしょう。
でも、しんちゃんは絶対そんな事にはならない猫ちゃんかもしれません。だけど病院のみんなは「いざとなったらどうだかわからないぞー」と思っています。そんな時は、「この猫は、私が抱っこしていた方がおとなしいんです。私が責任もって押さえてますから、クチワをしないでください。」と話してみましょう。そのかわり、きちんと動かないように責任を持って押さえる必要があります。うちの病院では、そういう人は何人もいます。そう言われても誰も気分を害したり、怒ったりしませんから思いきって申し出てみてください。しかし、採血や、レントゲン、その他特殊検査のときは、ひとりではおさえきれないと思いますので、ある程度クチワをされるのは仕方がありません。しんちゃんのためだと思って、少し我慢しましょう。

実際の病気のことですが、私が実際に診察しているのではないので、あまり言及することは避けたいと思います。ただ、信頼していない先生の言葉に左右されるのはやめた方がいいと思います。腎臓病の食餌も、とても重症の子が食べるものから、もう症状はおさまって維持食として食べるものまで、いろいろあります。Hillsの食餌を勧められたようですが、これにもいくつか種類があって、何というものなのかがわからなければコメントできません。6.5才というと、少しお年寄りの仲間になってきているので腎機能が弱ってきているかもという判断で与えていいとおっしゃったのかもしれませんが、憶測であってなんとも申し上げられない状況です。
どうしても、実際の病気に関するコメントというのは、こんなふうに歯切れの悪いものになってしまいます。すみません。


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