６月２日発言の、こめたろさんへ
狂犬病と７種混合ワクチンは、私も基本的に別々の日に接種なさるのが良いと思います。
次に７種混合ワクチンですが、これには製薬会社によって１本の注射にまとめて接種するタイプのものと、２本に分けて接種するタイプのものがあります。それぞれ利点がありますのでどちらを選ばれるかは各先生の判断です。私は、２本に分けて接種するタイプを使用していますが、このタイプの「一番良い」接種方法は、こめたろさんが新しく変わった獣医さんのおっしゃるように、一週間ほどずらして１本ずつ注射する方法です。しかし、この方法は飼主の都合などで必ずしも受け入れられ易い方法ではないので、どうしても一週間ずらして接種できない場合は、同時別部位接種（同じ日に身体の別々の部位に接種する事）でもかまわない、とされています。同時接種の場合の問題点は、それぞれのワクチンの干渉作用による抗体上昇効果の抑制なのですが、これは、きちんとした研究結果により、同時別部位接種でも臨床応用上問題ない程度と考えられています。ですが、本当は２回に分けて接種するのがベストなのであって、もし、こめたろさんが時間的に都合つくのであれば、その先生のおっしゃる通りになさるのが「完璧」だと思います。
きっと、その先生は完璧にしたいと思ったのでしょうし、こめたろさんは、その診療方針についてきてくれる飼主さんだと見込まれたんだと思います。ちなみに、私の病院ではほとんどが同時別部位接種です。

でも、考えても見てください。もしこれが、人の赤ちゃんのワクチンだったら、「何回も仕事を休んで来ていられない」などとは誰も言わないでしょう。そこが私たち獣医師のつらいところです。