意見交換掲示板過去発言No.0000-199807-165
にゃじゃらさんへ・・・ワクチン接種に関するイブの考え |
投稿日 1998年7月22日(水)11時39分 イブ
一回目のワクチンをする適期ですが、その小犬の免疫学的状況によって多少違いが出てきます。 普通一般には、生後8週齢、すなわち生後56日というのが、平均的な時期です。これはなぜかというと、この時期が移行抗体の平均的な消失時期だからです。移行抗体とは小犬が母犬から貰う抗体のことで、それがあるうちはワクチンを打っても効果がうまくでません。しかし、この56日というのはあくまで「平均」なのであって、中には30日でなくなっている子もいるし、80日まで持っている子もいます。これは、小犬の体格や体力で推し量れるようなものではありません。 もし、母犬自身が抗体を持っていないとかで小犬の移行抗体も低かった場合は、生後一ヶ月(すなわち30日)以前であっても早急にワクチンを打ったほうがいいと思います。 また、もし生後60日になっても移行抗体がまだ高かった場合は、56日に打った第一回目のワクチンはほとんど無効になってしまいますが、3〜4週間後に打つ追加ワクチンでカバーすることができます。 このように、本来であれば一匹一匹の小犬に関して移行抗体の量を測定し、それぞれの適期にワクチンを打つというのが、理想的です。しかし現実問題としては、抗体検査に一週間以上もかかってしまってリアルタイムの対応ができないとか、ワクチンを打つより手間やお金がかかるなどの理由で行われていません。 一回目のワクチンが早すぎたのではないか?と心配な時は、間隔を空けて3回〜4回ワクチンを接種すればいいのです。 抗体検査などで手間、暇、お金、をかけているよりずっと現実的です。 ということで、第一回目のワクチンは生後○○でなければならないということではありません。平均が56日ですから、50日でも60日でもそんなには変わらないと思います。ただ、どちらにしても、追加ワクチンを後2回は接種した方がいいと思います。そして、その接種間隔がとても大切ですから獣医さんの指示にしたがってください。 ワクチンを打った後の移動のことですが、やはり10日間は環境を変えず、様子をみてからの方がいいと思います。 |
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