獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-199807-20

寝子さんへ・・・パルボの発症について
投稿日 1998年7月2日(木)21時00分 イブ

他の先生方と、同じかどうかはわかりませんが私の意見を述べさせて頂きます。


質問1:
今後残った1歳の猫がパルボ症を発症する可能性はありますか?

まったくないとは言い切れませんが、その可能性は100%に近くないと思います。


質問2:
抗体検査等を行って、その猫の感染の有無を調べることは可能ですか?

抗体があるかないかは調べられますが、例えば抗体価がとても高かったとしてそれが小猫からの感染によるものなのかインターフェロン+ワクチンの接種によるものなのかは区別できません。よって、不可能だと思います。ただ、症状が無くて抗体価が高ければ、今後しばらくはパルボ感染症にならないと思います。


質問3:
次に新しい猫を入れたいと希望した場合、どのくらいの期間を開けた方が良いでしょうか?

パルボウィルスは、とても強いウィルスです。普通の環境で、約6ヶ月は感染能力を持つといわれています。ですから、6ヶ月以上開けた方がいいと思います。


質問4:
残った猫が半年以上たっても健康で、発症しなかった場合、繁殖に使って良いものでしょうか?もし、やめた方が良いなら、どの程度たってから去勢手術を行うのが、ストレスを与えず安全でしょうか?

まず、残った猫ちゃんにとっては、半年以上たっても健康で発症しなければ繁殖するのに何の問題もないと思います。ただ、環境のことを考えると、上にも述べましたが強いウィルスなのでその家に残っている可能性があります。ですから、相手方の猫ちゃんは完全な免疫力を備えている必要がありますし、生まれた子猫の管理も、十分気を付ける必要があるでしょう。


質問5:
ワクチネーションを完璧に実行していたとして、どの程度の割合で猫汎初血球減少症を発病する可能性があるのでしょうか?(実はワクチンを接種してあったのにパルボで死亡した猫の話を聞くのが数回目なので…。しかし、今まで聞いた話はすべて因果関係がなく、猫種も違いますし、血縁関係もありません)

発症する可能性が何%とかいう実際の数字は、私はわかりません。ただ、ワクチン接種による免疫賦与効果は、その動物の個体差または移行抗体(おかあさんから貰ってくる抗体のこと)の保有程度等により、必ずしも100%に発揮されない場合があることがわかっています。この「個体差」というのが曲者であって、何事も100%とはいえないのが世の常です。

アドバイスとしては、寝子さんのおっしゃる通りでいいと思います。
もし、その子が今後パルボにならないかどうかはっきりと知りたいのであれば、抗体検査をして免疫賦与状況の確認をなさればよいと思います。

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