意見交換掲示板過去発言No.0000-199807-37
寝子さんへ・・・パルボウィルスと白血病ウィルス |
投稿日 1998年7月4日(土)12時58分 イブ
猫白血病ウィルスやエイズウィルスはとても変わったウィルスで、その増殖過程が一般のウィルスと随分違うため、一度感染が成立すると体内からウィルスを排除することがとても難しくなります。 パルボウィルスに一度感染して乗り切った猫の体内にはこのウィルスに対する抗体ができて、体内にいるパルボウィルスを排除することができます。新しく体内に進入したパルボウィルスもこの抗体の作用によって排除されます。だから、十分な抗体価があれば感染症が起こらないのです。一般的にパルボは体内のどこかに潜んでいていつか再発病するということはないと考えられています。ただ、軽い症状でおさまりあまり抗体価のあがらなかった猫は潜伏感染していることがあるという情報もあります。 また、ウィルスのなかには一度感染が成立するとうまい方法で体の一部に入り込み、抗体を作らないようにしむけたり、抗体がができても排除されずに増殖しつづける(この状態を持続感染という)ものがあります。そしてその中の一つが、猫白血病ウィルスです。だから、すでに持続感染の状態になってしまった猫に白血病ウィルスのワクチンをしてもだめなのです。このウィルスのワクチンは、発病する確立を低くするのではなくて、感染症を成立させないために行うのだと考えてください。 ウィルス学や、免疫学は、すべて解明されていない上にウィルス自体も突然変異をおこしたりして日進月歩の世界ですから、こうだ!と断言できるものではありません。こう考えられている、程度に解釈してください。 |
|
|
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」 ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴) サポーターや広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)、 多くの人々に支えられています。 獣医師広報板へのリンク・サポーター募集・ボランティアスタッフ募集・プライバシーポリシー 獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。 @mukumuku_vetsさんをフォロー
Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved |