獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-199809-1

たかさん、日野さん、ちゃこさんへ
投稿日 1998年9月1日(火)12時27分 イブ

☆たかさんへ
Re.犬の乳腺腫瘍について
実際に診察していないのではっきり断言できませんが、たかさんの犬の場合、普通の乳腺腫ではないような気します。
今の先生が信頼できるならば、良く相談し、解らないところは何度も尋ねながら診療を続けられてください。
もし少し不安があるのならば、腫瘍科のある大学病院や腫瘍学に詳しい先生のいる病院へ転院なさるのもいいかと思います。また、腫瘍の治療は一部のものを除き摘出手術をするのが一番ですから、手術をしないですむ方法はないと思ってください。元気、食欲のあるうちが治し時です。検査、手術など、難しい病気ほど、出費がかさむので大変だと思います。簡単に済ませられる方法があればどんなにいいかと、獣医の私も思います。

☆日野さんへ
Re.皮膚病について
スポットオンタイプのものは、身体中に拡散する必要があるので、スプレータイプのものより若干即効性に欠けます。大型の犬の場合は特に拡散に時間がかかり、また、垂らした場所から遠く離れている場所では薬の量が少なくなるなどの「むら」ができることがあるようです。製薬会社の方では、こういったことをなくすために、大型の犬には背骨に沿って数箇所に(例えば肩と腰など)分けて垂らすとよいと言っています。さらにフロントラインは、身体の皮脂腺に貯えられるので、シャンプー直後や、もともと皮脂腺の少ない子などでは効きが悪くなってきます。いろいろな条件によって効く時と効かない時がありますから、合わない場合は別のノミ駆除の方法をとられたらいいと思います。
プログラムという薬は、今まさにピョンピョンしているノミの成虫を殺すことはできません。しかし、プログラムを飲んでいるイヌの血を吸ったノミは、生殖不能になり、卵を産んでもその卵は成長できずに死滅してしまいます。卵、幼虫、さなぎ、のことを成虫予備軍といいますが、プログラムはこれら成虫予備軍を死滅させることによってノミの発生予防をするものです。ですから、プログラムには即効性はありません。じわじわとノミの数が減っていき、最後まで生き残ったノミ成虫が寿命で死んだ時、晴れてノミの完全駆虫が達せられるのです。ノミの成虫の寿命は、というと、大変好ましい環境であれば約1年ほど生きるものもあるそうです。だから、完全駆虫ができるまでには、だいたい最高で1年かかる場合もあるということです。でも、この薬のいいところは、とても安全性が高いという点と、ノミの異常大発生を防ぐことができるという点、効果にむらがないという点、投与が簡単という点です。今はノミが寄生していない場合のノミ発生予防薬としては、大変いい薬だと思います。
さて、ノミアレルギーの犬の場合ですが、アレルギーはだいたいノミの成虫によって引き起こされます。そして、その症状はノミの数に必ずしも比例するものではなくて、例えはたった一匹一時的に接触したとしてもひどいカイカイになってしまうこともあります。
ですから、アレルギーの場合は即効性のあるノミ成虫駆除剤のほうがいいです。それに加えてプログラムも同時併用すれば、より完璧かと思います。
アレルギーの治療薬のことですが、一般には、ステロイドの前に非ステロイド性の抗ヒスタミン剤というものを使用します。それでもだめな時ステロイドを使用するわけですが、その時は症状を話し副作用が少なくなるように相談なさればいいと思います。

☆ちゃこさんへ
Re.ダニアレルギーについて
ダニにアレルギーなのですから、ダニは完全にシャットアウトしなくてはなりません。一般に、ダニ取り首輪にはアレルギーをおこさない筈です。もし、首輪によって過敏症が起きてしまったら、首輪でないダニ駆虫薬に変えればいいと思います。散歩コースも、ダニのいないところに変えてみるなどの検討もなさるといいと思います。
ダニの人間への寄生ですが、マダニ類は宿主特異性が低いので、種によってはヒトへの感染もしばしば起こります。

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