獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-199812-68

狂犬病ワクチンについて
投稿日 1998年12月14日(月)11時24分 プロキオン

12月13日のH&Mさんへ

お話からすると、その地区の獣医師達は皆さんワクチンを接種せず
に料金を徴収しているということですか? ちょっと驚きました。

狂犬病ワクチンは法律によって接種が義務づけられていますが、実
際は機関委任されており、国は県へ、県は市町村へと委任していま
す。市町村は獣医師を雇用していないところが多いので、県の獣医
師会へ獣医師の派遣協力をお願いするいう形態をとっています。

したがって、獣医師会に所属していない獣医師や委託を受けていない
獣医師会所属の獣医師は狂犬病ワクチンを接種できないということも
ありえます。
一見するとその辺の獣医さんが接種しているように見えますが、実際
は日本の国家がワクチンを接種しているのです。

国内でも狂犬病ワクチンに反対している獣医師達もおりますので、田
口先生はその点について触れておられますが、反対している獣医師な
ら、なおのこと今回のような事例はあってはならないでしょうね。
県の獣医師会に加入されていない獣医師達が地域的にかたまってしま
っておきた事例と考えたいところです。
なお、日本獣医師会は政令指定都市を除いて、1つ県に1つ獣医師会
となっているはずです。第二獣医師会は自称ということになると考え
られます。

12月12日の外崎さんの質問ですが、上記の意味からは厚生省が回
答するべきでしょうが、ついでですので。

1、対症接種という意味が分かりませんが、ワクチンは使用説明にも
  適用承認にも予防接種以外はないように思いますが。ワクチンと
  はそういう意味のものだと私は理解しています。
  それ以外の使用があった場合は、当事者に説明を受けて下さい。

2、安全性について言えば、動物用医薬品検査所で検査承認を受けた
  製品のみが流通しています。(密輸品を除けば)
  しかし、異種の蛋白質を接種するのですから、炎症は生じます。
  また、その炎症こそがワクチンの目的でもあります。主たる作用
  によって得られる利益と副作用による損失とを考えたうえで接種
  するのがワクチンです。
  副作用の発現率は我々臨床家よりもメーカーの方が詳しいデータ
  をもっていると思います。

3、接種月齢は狂犬病予防法を定めた当時の担当官に聞いてみないと
  分かりませんが、私の県の狂犬病の担当者が厚生省に問い合わせ
  てくれたことがあります。
 (1)母親からの移行抗体の消失時期
 (2)狂犬病に罹患している犬でも、第三者の助けをかりなくても
    排除可能な犬の大きさ
  この2点を考慮して現行の接種月齢になったと説明を受けている
  そうです。 

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