意見交換掲示板過去発言No.0000-199903-135
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投稿日 1999年3月29日(月)15時56分 プロキオン
トドの親さんの再質問ですが、簡潔明瞭に要点だけ述べると、 「害はあります、ネギと同様の物質があるか否かはご自分でお調べ 下さい。」 となります。 これではジョークになってしまいますので、もう少し説明します。 私達臨床獣医師が先輩獣医師から、ニンニクは給餌してはいけないと 教わる際には、「刺激が強すぎるから」と説明されます。 これは、本人が食べてみれば納得できると思います。少量ですと何等 問題はありませんが、食べ過ぎると胸焼けを覚えます。犬や猫は人間 よりニンニク食に適応していませんから、もっと少量でも不適応を訴 えます。 私の病院でも嘔吐と消化器の疼痛がその症状でした。飼育者のおじい さんが最近犬が元気がないので精が付くようにと給餌したらしいので す。 では、胃腸炎が主要な症状でタマネギ中毒と症状が異なるから、ネギ と同じ中毒物質は無いのかというと、これは別問題です。 1つの項目の陽性が他の項目の陰性を意味するものではないし、食品 別の含有量も不明なのですから。 Sodium n-propylthiosulfate(あるいは Allyl-propyldisulfide )が ニンニクに含有されていないかは、臨床獣医師ではなく、農事試験場 や食品総合研究所等に質問された方が適切なのではないでしょうか? エネルギー 水分 蛋白 脂質 糖質 線維 灰分 ニンニク 138kcal 60.3g 8.4g 0.1g 28.7g 0.9g 1.6g ネギ 25kcal 92.0 1.7 0.2 4.6 0.8 0.7 Ca P Fe Na K ニンニク 15mg 200mg 1.0mg 6mg 720mg ネギ 80 38 1.0 1 200 上にあげたのは食品の成分分析表ですが、我々が知り得るのは通常 このあたりまでなのです。(ビタミン含有量は省略してあります) そして、タマネギ中毒の原因物質はナトリウム塩類ですから、ニン ニクはネギ類の6倍のナトリウム塩基を含有していますし、この塩 基も天然成分です。どのように微量であろうと含有されていないと いう保証はないのです。 農事試験場や食品総合研究所でも人間が食べることを前提としてい るので、ご希望の回答は得られないこともあり得ます。 その場合は都衛研や各県の衛生公害研究所のような微量分析を手が けている機関へサンプルを持ち込んで指定成分の検出を依頼するの が早道だと思います。 # 質問者が納得する回答を得るのには、この方法が1番確かだと 思います。 タマネギ中毒は古くから知られていますので、原因の究明がされて います。これは発生頻度が高いためです。ニンニクに同じ成分が存 在するか否かは私には分かりません。しかし、植物分類からいけば ネギとニンニクが同じ成分を含有していても特に不思議とは思えま せん。 血液を栄養源とするドラキュラはニンニクが嫌いのようですし。 |
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