獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-199903-38

RE 仔猫のしこり
投稿日 1999年3月8日(月)22時21分 田口正行

獣医の田口です。
猫の乳腺の非炎症性過形成(感染や腫瘍ではなくて乳腺組織が腫れる病気)には、2つあることが知られています。
子猫ではこの内の繊維上皮性過形成というのがあります。
これは発情中または妊娠中の若い猫で起こりますが、まれに初回発情前の子猫にみられることもあります。
著しく腫大した乳腺が赤く見え、皮膚の一部が壊死することもあります。
この異常は乳腺組織へのホルモンの刺激によると考えられているようです。
治療は炎症がいくらか消えるのを待って避妊手術を行いますが、もしも炎症が強いときにはお腹の真ん中ではなくて横の方を切って手術を行うとされています。
また、副腎皮質ステロイドや性ホルモンによる治療も試みられていますが、効果は一定していないとのことです。(以上、小動物の臨床腫瘍学より)

ちなみに僕の経験ではありませんが、腺組織の切除を行うときに避妊は行わずに乳腺の切除だけしか行わないと
すぐに取り残した組織が腫大してしまい大変なことになるそうです。


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