にゃんじじいさんこんにちは、獣医の田口です。
妊娠中のワクチン接種についてですが、僕は基本的には接種すべきではないと考えています。
基本的と言ったのはワクチン接種をしなければその子の健康に危険が及ぶ可能性がある場合（周辺地域での流行と院内感染の危険）と、そのワクチンが妊娠動物に対して問題を起こさないとあきらかな場合には、
そのことを説明した上での接種を行うことはありえます。

猫のワクチンは３種混合と猫白血病ウイルスに対する物とがあります。
この内の３種混合ワクチンでは上部気道炎が２種類とパルボウイルス（腸炎を起こします）が１種類混入しています。
このパルボウイルスは妊娠中に母猫が野外で感染すると生まれてくる子猫に小脳形成不全などの障害が出る危険性が知られています。
ですから、パルボの生ワクチン（ウイルスが生きている）を妊娠中の猫には決して接種しません。
ただし、現在日本で使用されている猫３種ワクチンはおおむね２種類ですが、一般的な方のワクチンでは不活化ワクチン（死んだウイルスが入っている）ですからおそらく臨床上での問題は起こりにくいと思われます。
この返事を書くにあたってワクチンの能書を確認しましたが、妊娠中の接種についての記載はありませんでした。

また猫白血病のワクチンは慌てて接種する必要はあまりなく、僕は必ず感染の有無を確認してから接種しています。
診察時に不満や疑問があったらその場で先生に質問された方が納得のいく診察をしてもらえることと思います。
そこできちんと説明がされていれば後からのトラブルも減らせるのでは、、、
そんなことで患者さんを嫌ったりはしませんから大丈夫だと思いますよ。（＾-＾）