外崎さんこんにちは獣医の田口です。
とても難しい質問だと思います。おそらく外崎さんが望むような答えは言えないと思うし、小動物の獣医師よりも馬の獣医師へ質問した方が外崎さんの聞きたい内容がかえってくると思います。
　近親交配についての僕の見解ですが、近親交配でなにが問題となるかというと不良遺伝子の蓄積だと思います。劣性遺伝をする遺伝形質の発現頻度が上がることが一番の問題ではないでしょうか？
アメリカの獣医学書に純血犬における遺伝性眼疾患（INHERITED EYE DISIEASE IN PUREBRED DOGS）があります。この本の中には家系図で表せる遺伝性眼疾患が掲載されています。また日本語約のある本では、小動物臨床家のための腎泌尿器病学（文永堂出版）では犬と猫の家族性腎疾患が掲載されていて例えばケアンテリアの先天性嚢胞性疾患では常染色体劣性遺伝であることが示唆されています。（生憎確定ではないようです）

　近親交配や戻し交配などのブリーダーさんがテクニックとして使っている良い血統を強くする？育種とは考える方向がことなるので議論はかみ合いにくいと思いますが、遺伝性の病気を減らすことが小動物獣医になりますから、そのためには近親交配については僕はやはり反対です。