獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-199904-5

ニンニクについての補足
投稿日 1999年4月1日(木)16時07分 プロキオン

また、ニンニクについてです。

実は私の身近に栄養士さんがいるので、allyl-propyl disulfideに
ついて質問してみました。ネギとニンニクはネギ科でニンニクにも
含有されているのではないかという点についてです

彼女は「食品大事典」を引っぱり出して調べてくれたのですが、驚
いたことにネギ科というのは存在せず、両者はユリ科なんですね。

硫化アリルで引くと配当体として含まれるとありました。生の状態
で存在し、ネギやニンニク中の酵素の働きで特有の臭気を発生する。
熱で酵素の活性が失われて甘みを生じるが、体内にはいると再び活
性化するそうです。
辞典では、硫化アリルまたは硫化アリル類となっており、アリシン
がチアミン(ビタミンB1)と結合してアリチアミンとなり、この
アリチアミンはビタミンB1と同様の作用があり、かつ吸収が早い
と記載されています。
この辺りを読むと、腸内でチアミンを生成している犬が何故中毒を
起こしやすいのか納得できるような気がします。

硫化アリルはプロピル基と結合して、アリルプロピルジスルファイ
ドになるようですが、むしろallyl-propyl disulfideそのものがプ
ロピル基を取り込んだ硫化アリルと考えた方が良さそうです。
さらに アリル基は1価の不飽和単化水素基とありますので、ソジ
ウム(Na)と結合すると安定化するのでないでしょうか。

つまり、ニンニクにもタマネギ中毒の原因物質は含有されていると
いうことになると思います。
アリル基の元になるalliumは別の辞典ではニンニクの成分という語
源になるそうです。ネギ類よりもこちらの方が本家なのかもしれま
せん。

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