意見交換掲示板過去発言No.0000-199905-303
猫の予防注射(ワクチン) |
投稿日 1999年5月29日(土)12時13分 林 文明
獣医師の林です。 ここには 帰国後ご無沙汰でしたが、ちょっと気になったので 書き込みます。 >その時に、来月もワクチンを打つので来てくれとの事でした。 >初めて言われた事です。2ヶ月もつづいて打つものでしょうか? 通常、日本で行われているワクチンは大きく分けると2つあります。 3種混合ワクチン(伝染性鼻気管炎・カリシウイルス感染症・パルボウイルス感染症が予防できます)と猫白血病ウイルスワクチンです。 基本的にワクチンは 初回の接種は 2回します。 つまり1回接種後 3〜4週間後に2回目を接種します。 なぜかと言うと これらのワクチンは1回接種だけでは、免疫力が弱く 効果のある期間が短いため、1年間有効にするために ブースター(2回目の接種の事)をかけます。 ただし、例外的に生後1年以上の外飼いの猫は 1回接種したら 後は1年に1回の追加接種です。 これは このような猫には、抗体という"防御する力"があるからです。 > 次の日に言われました。「検査たのまれてないけど一緒にやってワクチン打って > 5万だよ」って・・・まさかそんな金額とは思ってもいないし >頼んでもいない検査までと思いましたがお金を出しているときに >「そーそー、検査の結果白血病だったからもう助からないけど治療に通って」 > ほんとなの?って感じで今は不信感があります。 検査を頼んでいないならば、それは過剰診療ですので その先生の説明を求めるべきです。 そして、白血病についてはきちんと説明を受けてください。 また、検査結果を口頭ではなく、文書または実際の検査結果(病院でできる検査キットを使ったはずですから)を示してもらってください。 猫白血病については1回の検査だけで必ずしも感染していると言いきれないところがあります。 なぜかと言うと1回の検査だけでは本当に感染している持続的なものなのか一過性のものなのか評価できないのです。 ですから4ヶ月後に再検査をする事をお勧めします。 金額については各病院によってかなりの差があり、一概に言えませんので やはりその先生に明細を聞いた方が良いですよ。 >現在は、その治療にも行ってないし他のネコと隔離もしていません・・・・ >でも、すごく元気です。そのあとも、5匹のうちの1匹が今になって >考えると腹膜炎の感じが強いので来てくれと言われて通っていますが >治療は、インターフェロンを注射するといいと言われて打っています。 >(週1です。)病気なの?ってぐらい元気です。 >マンションネコも(室内飼いです)歯が抜けて連れて行ったら >腹膜炎の恐れがあると言ってインターフェロンを打ちました。 >こんなにも、ネコ達が病気なんて首を捻るばかりです・・・・ >とっても悩んでます・・・私はお金の為にネコが病気って言われてますか? 感染と発症は意味が違います。元気であっても感染している事は十分考えられます。 "強い感じ"や"恐れがある"だけで注射をされているようですが あなたは自分だったらされるままに注射をしてもらいますか? きちんとした診断をしてもらってから注射を打ったほうが私は良いと思います。 その病院ですべて任せるのも 転院するのも自由ですが どこの病院でも自分の分からない事 不審に思う事を納得ができるまで聞いてください。 私はそれが飼い主の務めだと思いますよ。 この説明でわからないところがあれば 何でも聞いてください。 |
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