獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-199905-93

Re:フィラリアの予防薬について
投稿日 1999年5月11日(火)03時44分 へいはち

はじめまして。私は獣医さんでも何でもないんで、あまり詳しいことは分からないのですが、少しでも知識の一助になれば幸いです。

まず、フィラリアの予防薬には大きく分けて2種類あります。
1〜2日に1回投与するタイプの薬と、1ヶ月に1回投与するタイプです(今は後者のほうがポピュラーですが)。
これらの薬は、投与する期間が実は異なるのですが、陽子さんの文面からすると、もらわれた薬はいずれも月1回のもののようなのでそちらの薬について説明します。

月に1回投与する薬にもいろいろ種類があるのですが、いずれも体内に侵入したフィラリアの子虫(ミクロフィラリアといいます)に効果があり、体内に侵入後1ヶ月経った子虫ならば100%死滅します。
子虫は蚊に噛まれることによって感染するので、薬の投与期間は、蚊が発生する時期を1ヶ月ずらして(遅らせて)投与します。
蚊の発生する時期は、その年の気候や地域によって異なりますが、仮に5〜11月だとすれば、薬は6〜12月の間、月1回の投与になります。
薬の投与開始と終了は、だいたい5月の中旬とか下旬とかから投与を開始する場合が多いと思いますが、獣医さんによって若干異なります。
なかには、念には念を入れて4月からでも、飼い主さんが希望すれば予防薬を処方する獣医さんもいらっしゃるそうなので、5月になってから予防薬をもらったのであれば、処方時期が早すぎるということはないと思います。

また、フィラリアの予防薬を処方する場合は、生後1年以上の犬にはあらかじめ血液検査などの検査をして、血中に子虫がいないことを確認する必要があります。
なぜかと言いますと、すでに感染してしまった犬に予防薬を投与すると、重篤な副作用のおこる危険性があるからです(あくまで危険性ですが)。
ちなみに血液検査以外にも、免疫学的な検査法やX線検査などを行う場合もあるのですが、いずれにしろ処方する前には検査を実施するのが原則みたいです。
なので、なぜ何も検査をしないで薬を処方したのかは少し疑問が残るところですね。


◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。