６月１９日のＹｉｚｅｌさんへ

書き込みありました件ですが、「安楽死」を勧められたということで
すよね。
この問題については、別に獣医師だからということではないと思いま
す。その国のその民族における死生観や頭上にいただく神様の問題だ
と考えます。
キリスト教では「ノアの箱船」以降、エホバとノアの間で神に代わっ
て人間が動物達を管理する契約が交わされています。つまり、動物の
生殺の判断は人間の仕事になっているのです。
一方、仏教国では「輪廻転生」の思想がありますので、動物もまた来
世で人間や菩薩に生まれ変わるかもしれません。現世での姿に関わら
ず、生命そのものを大事にします。

とは言っても、現実の世の中がそのとおりかと言えば、首をひねりた
くなりますよね。捨て犬・捨て猫を例にあげるまでもなく、生命が粗
末に扱われています。皆が自らの手を汚すのを嫌がるからです。
その反面、欧米では「しつけ」そのものが重視され、しつけが入らな
いものは簡単に処分されますが、一端家族の一員と認知されたものは
とても大事にされます。

どちらが正しいというのでもなく、個人が生命にどのように関わるか
そして社会はどのように認めるかということなのではないでしょうか
？　書き込みにあった獣医師も個人や社会の要求・要望を反映しての
発言だったのではないでしょうか？
私は異文化との接触によるカルチャーショックの１つと受け取りまし
たが。
　＃重要な注：アメリカでは治療の選択枝の中に「安楽死」を入れて
　　おかずにいると、あとで訴訟に発展することがしばしばあるそう
　　です。

無論、日本でも簡単に安楽死を要求する飼い主もいれば、治療しても
無駄だとして処分を勧める獣医師もいます。ただ、そのような個々の
ケースは取り上げても意味がないように思います。