獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-199906-291

re:えさはなんですか&道端の野鳥の雛のこと
投稿日 1999年6月28日(月)02時16分 kikko

獣医師のkikkoです。
写真から鳥の種類はわかりませんが、とりあえずのお答えと
こういう場合の一般的な処置について少々。

写真のヒナの場合は、えさは虫、いわゆるくもや昆虫の幼虫です。
代用品としてはミミズ、カタツムリ(一口大に刻む)、
固ゆで卵、ミールワームなどが一般的でしょう。
消化しやすい、質のよい高タンパク質がよいのです。
そういうものを少し湿らせて飲み込みやすくしてやって下さい。
与え方:夜明けから日没まで、1時間ごとにえさを与えてください。
    食べ過ぎはないのが普通なので、飽食するまで与えてかまいません。

詳しくは書き切れないので、あとは一般的な鳥のヒナの飼育書などを参考に
しながら、不明の点などはさらにお尋ねください。
そのころにはもっと詳しい方からのレスもつくと思います。
また、日本野鳥の会のほうに問い合わせるのも一案だと思います。

地面にいる雛について:
 ヒナが道端にいる場合、巣からの落下事故の場合が、確かに多いです。
 しかし中にはそういう形態で育雛する種類もありますので、
 簡単に拾って誘拐にならないよう注意が必要です。
 また、落下事故の場合も安易に拾うことは避けたほうが賢明です。
 なぜなら、元の場所にいる限り(巣が近いので)、
 親鳥が発見し、給餌するチャンスがあるからです。
 安全そうな場所に移動してやったり、巣の近くにおいてやったりするのが
 一番よいといわれています。
 上に書いたように日中1時間ごとの給餌、適正なえさの用意、
 保温などいろいろ気をつけなければならないことが大変多いので、
 野鳥のヒナの飼育はかなりむずかしいうえ、手間が掛かり、
 結局大部分が死亡することになるからです。
 (もちろん、ヒナが衰弱していたり怪我をしている場合や、
  猫の襲撃や人為的事故の可能性が高い場合は別ですが。) 

 せっかくの親切です、逆効果にならないよう、よく注意しましょう。
 

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