獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-199906-91

柴犬トムについて(横から失礼します。)
投稿日 1999年6月8日(火)23時50分 foo

はじめまして、fooと申します。
長くなりそうなことと、獣医師のコーナーに書き込む内容としては少しズレそうな気がするのですが
ご容赦下さい。
さて、トムくん(雄なのかな?)についてですが、私なりに感じたことを書いてみます。

まずQAから・・・
(1)今何才ですか? 性別は? 飼い始められた頃は、生後何ヶ月頃からですか?
(2)躾について
   (a)散歩の時、トムくんが引っ張って前を歩いていませんか?
   (b)食事の時、トムくんの体に触らせてもらえますか?
   (c)体罰はどのようにされていますか?
(3)環境について
   (a)1日何回、何分位の散歩に出かけていますか?
   (b)工場では鎖で繋ぎっぱなしですか?(鎖の範囲でしか動けないのでしょうか?)
   (c)工場は騒音が激しいですか?
   (d)工場の人がトムくんに接触しますか? または工場外の人が接触できますか?
(4)他の犬、人間との接触はどうですか?(散歩の時など)

次に以下の文章から察することができることを書いてみます・・・

---
>もう飼い始めて5〜6年になりますが、日頃は本当にこの子が噛み付くんだろうかと思うほどです。
>しかし噛み付く時はものすごい顔になるそうです。以前に獣医さんに噛み付かなくなるような薬はないのか相談したことがありますが、
>ないと言われました。その獣医さんも犬自身を見てないからなんとも言えないと言われてました。
噛みつきを矯正する様な薬は無いと思います。
ただ人間でも「怒りっぽい人にはカルシウムを」等の様に、健康食品的なものは存在します。
ただ、効果をこれだけで期待するのはやめた方が良いでしょう。

>2〜3日ぐらいなら連れてきて様子を見ましょうかと言われたのですが、何しろ噛み付くので誰も病院に連れて行こうとしてくれませんし、
>万が一鎖が外れたりして人を噛んだりたら大変だから保健所にやろうかと家族は言いますが
ここの文章がちょっと判断に困るのですが、もう散歩には連れて出ていないと言う事なのでしょうか?
つまり、もう誰も近寄れないと言うことなのでしょうか?

---
>いつものように、散歩の後でトムの好きな
>パンをたべさせていたら、突然すごい恐い顔で噛み付いたのです。散歩をする時は、
まず原則として、犬は何もないのに噛みついたりしません。
必ず何かしら、その犬にとって気に入らない事があったはずです。
噛みつかれる前の状況を詳しく思い出せないでしょうか?
(食べているパンを途中で取り上げたりしませんでしたか?)

>噛み付かれてはいけないと言うことで、棒を持って散歩してたんですが、
ここの文章もすごく引っかかります。
QAでもあげていましたが、体罰は行われていますか?(私はこの部分がすごく気になります。)
行われている場合、どのような状況の時にどのような方法で誰が行われているのか知りたいです。
あわせて体罰を行っていた時期(やり始めた時期)も知りたいです。
※私は体罰反対論者ではありません。ただ、状況・方法には注意したいのです。

>噛み付く時は、歯をむきだして、鼻にしわを寄せると噛み付く恐れがあるそうです。
怒りの表現として典型的な表情です。
この表情の時、目の前に手を出したり、体に触ろうとでもすれば、確実に噛まれるでしょう。
ただ、必ず原因はあるのですが・・・。

>トムはかみつくから、外部の人が近寄らないように、工場の屋上につないでますが、
>どうも、最近 鎖がだんだんとくちかけてるらしくて、それで、このたび保健所の話が持ち上がってるのですが、
鎖を交換すれば良いと思うのですが・・・。もう誰も触る事すらできないと言うことなのでしょうか?

>しかし誰も噛み付かれるのが恐いから、病院に連れて行ってくれません。

>保健所に行けば絶対に殺されてしまいます。獣医さんに連れていって、観てもらうと良いのですが、
>もしかしたら、精神的な方面からきてるのかもしれないし、それなら薬があるかもしれないし
きつい言い方かも知れませんが、きれいごとだけでは物事解決できない事実もあります。
殺されるのがイヤならある程度の覚悟を持って、獣医さんに見てもらう事も必要かと思います。
ただ、今回は獣医さんに見せられる前に確認することが沢山あると思います。

ここからは私の想像ですので、失礼な事を書いているかも知れませんがご容赦下さい。
犬、その中でも柴犬は主人に対して忠誠を尽くす犬種とされています。
そのトムくんが主人である人に対して、噛みつくと言うことは、
・自分がリーダーと思ってしまった。(アルファになっている。)
・主人に対して(または人間に対して)不信感をもってしまった。
と言う様な事が考えられます。

原因としては、
・子犬の頃の服従訓練がきちんとできていない。
・躾の時、体罰を超えて虐待的な行為がなされた。結果、その人間、あるいは体罰の道具として用いられた道具
(棒など)に対して、敵意を持つ様になった。
・犬との信頼関係が形成される前に、不信感を与える様な行為を行った。(イジワル的な行為を安易に行った。)
等が考えられます。
そして例外的には、
・工場の例えば大きな騒音を1日中聞かざる負えない環境でのストレス。
・個体的に精神不安定な犬だった。
事も考えられますが、可能性は低いでしょう。

私的には、不本意な体罰・イジワルによって人間との信頼関係が崩れてしまった状態なのでは?と言う疑念が
大きいです。
体罰、イジワルは決して飼い主である方々がと言う意味だけでは無く、例えば外部と接触できる場所に繋がれて
いる場合には、外部の心ない人達が、遊び感覚で行っていたと言う事も考えられます。

いずれにせよ、犬は無意味に飛びかかっては来ません。必ずそれなりの理由がありますので、しつこい様ですが
もう1度、その時の状況を思い起こして見て下さい。

解決の方法は、まず原因が分からないと出来ません。
尚、不信感・虐待が原因の場合、解決は非常に困難なものとなります。

最後に、色々えらそうに書いてしまった事、お詫び致します。
それでは。


◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。