獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-199908-195

イヌのみみだれについて
投稿日 1999年8月18日(水)00時34分 kusser

はじめまして、kusserというものです。
 今年の4月に大学を卒業し、今、獣医師として修行中の身です。

 修行中の身ではありますが、reikoさんの発言に対しまして、ご参考となればと思い、発言させていただきたいと思います。

 イヌの外耳道は人と若干構造が異なり、縦にのびる垂直耳道と、その奥にある水平耳道からなります。
 人の場合、頻繁に耳の掃除が出きることと、その構造から、外耳炎の治療に対する選択としての外科的手術はほとんど行われません。
 一方、イヌの場合は、先ほど申し上げたように、外耳道の奥まで清潔にすることはなかなか難しく、特に分泌が多い犬種などでは水平耳道を直接外界に開口させる手術も治療として行われます。
 特に、耳掃除をいやがり、あまり頻繁に掃除ができない子や、カビなどにより外耳道の炎症が慢性化しているこではこの手術を薦めることもあります。

 1時間も押さえつけられて耳掃除をされてしまうのは、確かに、可哀想だとは思います。
 新人の獣医としては、練習台、という感覚をもたれてしまうことに対しては、非常に心苦しい思いがします。
 ただ、それほど、耳の洗浄をしなければいけないということは、外耳道の構造や炎症の進行状況を考慮しての判断であると、私は思います。
 
 何度も申し上げますが、私はまだまだ若輩者ですので、これ以上の専門的あるいは経験的なことは申し上げられませんが、今通っている獣医さんに思い切ってここに書かれたことを聞いてみてはいかがでしょうか。
 もし、その獣医さんが判断し、責任を持って処置をされているあるいは処置の御指導をなされているのであれば、私は、信頼できるのではないかと、思います。

 新人の獣医も、新人なりに、科学的根拠と、誠意と僅かではありますが、実績を持って、患畜さんに接しています。
 その判断は、院長先生なりの責任ある方のご指導により、行っていると思いますので、その辺を考慮して、お考えいただけたら、幸いです。
 
 若輩の身でありながら、出すぎた意見を申し上げましたことをご了承下さい。

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