獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-199908-72

ビーグルの腎不全
投稿日 1999年8月8日(日)03時27分 ゆうき

9才の雄のビーグルですが、半年前に血尿を出し、膀胱炎、前立腺肥大、腎炎など診断名は変わったのですが、BUNとクレアチニンの価が高く、1週間に1度に点滴の治療を受けていました。点滴治療をすると数値は改善し、同時に食事制限、運動制限など気を付けていました。状態が非常に良く、獣医師も「この数値でこれだけ元気なのは信じられない」というような一見すると健康な状態でした。

ところが7日前くらいから食欲がなくなり、入院して利尿剤と点滴による治療をしましたが、数値の改善がありません。獣医師からは腹膜透析も選択肢の一つだが一時的な改善にしかならないし、重度の腎不全(尿毒症)の状態で「もう長くないだろう」という判断から、今は自宅で1日にリンゲル液の点滴を500cc行っています(血管を確保しています)。水分は1日に300〜500ccほど摂取していますが、餌はここ6日くらいは全く食べていません。散歩へも行けない状態ですので、尿道にもチューブを入れて2時間おきくらいに注射器でおしっこをとっています。50〜80ccほどの量です。餌を食べていませんので、やせていくのは仕方ないとしても、部屋の中でうろうろと歩いたりはします。私としては点滴自体の延命効果や、それによる苦痛がいかなるものかは分かりませんが、改善が見られないのであれば安楽死も選択すべきかとも思います。ただ、意識がないわけでも寝たきりの状態でもありませんので、苦しそうに息をしている姿をみても「自分で歩けるうちは」安楽死という判断はしずらいのが本音です。ただ、体力があり、強い子なので長く生き長らえると苦痛の時間も長くなるのもわかります。

矛盾するかもしれませんが、どうせ点滴をするのであれば、リンゲル液たけではなくて、ブドウ糖や栄養剤も処方してほしいのですが、これも苦しめる要因となると思うと獣医師に頼むこともはばかられますし、かといってかれこれ1週間も何も食べない様子を見るのは余りにも忍びないし、流動食のようなものを注射器で無理に食べさせたりすべきかとも、いろいろと考えてみてはいますが、結局のところどうして良いものか判断はできません。(点滴をし尿をとってあげることで、私はこれだけのことをしてあげたと納得できるのかもしれませんが。)

散歩も食事もできない(これで彼にとっての「幸せ」の大半は失われているのと同じです。)状態ですから、結局のところ、一体どうすればよいやら頭を抱えるばかりです。病気自体は奇跡でもおきない限り回復するものではありませんが、現在の状態でどのような選択肢が存在するのかをもう一度知ったうえで良く考えてみたいのですが・・・。


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