獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-199910-207

フェレットのワクチン
投稿日 1999年10月24日(日)12時45分 プロキオン

10月23日のてらさんへ

ワクチンの商品名が伏せ字になっていますが、この書き方で
は商品名を書き込まないようにの注意書きの意図するところ
と違うような気がしますので、私はあえて商品名を書きます。

長坂拓也さんの著書には次のように記載されていますよ。

ーーーここからーーー

「FERVAC−D」
鶏胚由来弱毒生ウイルスワクチン。米国農務省によってフ
ェレット用として認可を受けている犬ジステンパー予防ワ
クチンです。しかし、副作用の発現率が高く、ごく少数で
すが、ショックによる死亡例も報告されています。

「FROMM−D」
鶏胚由来弱毒生ウイルスワクチン。犬用の犬ジステンパー
予防ワクチン。現在製造されている製品の中では、最も安
全性が高いタイプのワクチンでアメリカではフェレットに
広く用いられています。日本では残念ながら入手不可能で
すが、同社より製造販売されている製品で日本でも広く市
販されている「ドヒバック5」「ドヒバック7」の犬ジス
テンパーワクチン成分は、FROMM−Dと全く同一のも
のであり、FROMM−Dに他のワクチンを加えて「ドヒ
バック5」「ドヒバック7」がつくられています。

ーーーここまでーーー

ワクチン成分とは主としてジステンパーウイルスの株のこ
とを意味していますが、キャリーオーバーされる培養細胞
由来蛋白質や添加剤も本来は含まれます。

実際のところ、ドヒバックの製造メーカーではワクチンの
安全性試験にフェレットを使用しているので、実績がある
と私は考えています。
また、私の病院では副作用の発現例は現在のところありま
せん。

ただし、同じドヒバックでも「ドヒバックDA2」ではワ
クチンに使用されているウイルス株がフロム株ではなく、
オンダーステポート株であり、培養細胞の系列も異なって
いるので、フェレットへの接種はしない方が良いとされて
います。
# このあたりの事情で商品名の記載は避けられないとこ
  ろであることが理解していただけると思います。

こちらの掲示板の獣医師やエキゾチックペット研究会の獣
医師の間では京都微研のワクチンを使用されている方も多
いようです。
せっかくインターネットが使える環境にあるのですから、
多くの情報を集めるようにされると良いでしょう。

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