獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200001-201

「実験動物」と「動物愛護・保護の疑問」
投稿日 2000年1月27日(木)07時44分 ケンケン

ケンケンと申します。獣医でも獣医学生でもありませんが先日から話題になっている実験動物と動物愛護に関する私の意見をカキコします。

実験動物について 
 私も学生時代に1匹のマウスを解剖しました。当番制とはいえ、ほんの数日とはいえ、自分で世話をした動物を殺すという行為は、本当に辛い思いでした。泣きながらメスを握る私に担当のO先生は「そんなに泣くなよ、まあ、そのうち慣れるから」と言いました。その言葉のせいか、「動物実験をやってる人は冷たい人」という考えがその後ずっと頭の片隅にありました。
 LB’zさんの書込み内にありました「今の気持ちを忘れないように」という教授の言葉をはじめ、ゆみさんやチ−ちゃんのママさんのご意見のおかげで、前述のような誤解がいっきに吹き飛んだ思いです。そうですよね、動物を殺しておいて何も思わない人なんて本当はいないのですよね。 
 動物実験に対しては、私もみなさん同様、無駄なこととは思っていません。私達や私達が飼っている動物の医学にも大切な結果をもたらしてくれていることでしょう。また、他者が生きて抜いていくために必要ならば、そのために犠牲になる実験動物達は、食べられるのと同じ意味をもっていると考えても良いのではないかとも感じます。でも、ナディアさん同様に、実験に使われるのが捨てられた動物達である場合、飼主としては本当に心が痛みます。

愛護、保護に疑問
 なかなか答えが見つからないので、ご意見をいただけたら、と思います。
 昨年8月、まだ幼いスズメのヒナを拾いました。野鳥には寄生虫がいることが多いので前から飼っているインコや文鳥にうつらないように、と病院へ連れていくと、「野鳥は都道府県からの飼育許可がない場合は診察と治療はできないことになっています。寄生虫はいる(糞便検査はしてくれました)が、(上記理由の為)お薬をだすことはできません」といわれ帰宅しました。「許可をもらえたら、お薬をだせます」とのことでしたので、さっそく都庁へ電話してきいてみると、以下のような会話になりました。

ケン「スズメのヒナを拾ったので飼育許可を頂きたいのですが」
職員「現在は野鳥の飼育の許可は一切してないので、すぐに外に放してください」
ケン「飛べる程育っていません」
職員「あなたは鳥を飼えますか? 飼えるなら、飛べるくらいになるまで育ててください」
ケン「病院で調べてもらったら、寄生虫がいました。以前から飼っている鳥がいるので、その間に寄生虫がうつると困るので、飛べるようになるまでの期間だけでも許可を頂き、治療したいのですが」
職員「許可は一切いたしません 特にスズメは害鳥ですから、巣から落ちたヒナはそのまま死なせてもらいたいくらいなんですよ いまは野鳥保護の各団体も「野鳥のヒナを拾わないで」というビラを配っているのです」
そのあと、電話を切られる形で会話は終了しました。飛べそうなくらいのヒナでしたら、練習中であると思い、私もほっておきます。でも、まだ本当に小さな小さなヒナで、脚に怪我をしていました。。。
 確かにコメどころではスズメは害鳥でしょう。しかし、ここは新宿のど真ん中、それになにも数百羽のスズメを保護しようとかは言ってません。わが家のオカメインコは両足が骨折した状態で公園に捨てられていたコですが、このコの場合は治療を受けることができました。
 オオタカやトキ、重油まみれになった水鳥や矢ガモは助けても、スズメには死を望むというところが理解できません。保護や愛護とはなんなのでしょうか?

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