獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200003-319

猫白血病ウイルスについて
投稿日 2000年3月29日(水)19時21分 斉藤充尋

獣医師の斉藤です。
猫白血病ウイルスについて説明させていただきます。
まず、「猫白血病」とは、血液の細胞の腫瘍を意味します。
猫白血病ウイルスに感染した猫のほんの1部の猫が、
白血病になり、白血病にならない猫の方が多いです。

猫白血病ウイルスに感染した場合、約7割の猫がウイルスを排除します。
4ヶ月間経っても感染が持続していた場合は、持続感染が続くと考えられます。
年齢により、排除の可能性が高いかどうかは不明であり、
猫自身の抵抗力によるところが大きいと思われます。
持続感染となった場合、1年生存率は約50%です。
7年生存した猫の例の報告もありました。
持続感染の場合、血液疾患、免疫不全に伴う感染症、リンパ腫などが
みられることが多いと思われます。
インターフェロン注射は、その効能は猫カリシウイルス、犬パルボウイルス
感染症については効能が認められていますが、そのほかの病気については、
獣医師の裁量内において使用されているようです。
月に1回の注射はあまり一般的な使用とは思えないので、
担当獣医師によく説明を聞かれるといいと思います。
猫白血病ウイルスに対するインターフェロン接種は、
実験的に感染させた猫において、感染初期には効果があったとの
報告はあります。

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