獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200004-105

ウサギ:臼歯の過成長
投稿日 2000年4月10日(月)14時16分 あらら

こんにちは。
顎骨をつきぬけて逆方向に(=歯根方向に)過成長した臼歯について、
抜歯以外に有効な処置があったらどうか教えてください。

3年前から臼歯に不正咬合を患っている5才の♂ウサギです。
先日、安静時に斜頚が見られるのに気付き、翌日動物病院に連れて行き
ました。レントゲン検査の結果、思わぬ(負の)収穫というか、臼歯群
が顎骨をつきぬけて、口腔とは逆の、歯根の方向に、大きく過成長して
いることがわかりました。
素人目には、上は眼球に届かんばかりの伸びっぷりでした。
内耳には異常はなく、今回の斜頚は、これらの歯の影響による一時的な
ものだろうとのことでした。実際、処方された抗生物質の投与を始めた
翌日には、斜頚の症状は消失しました。
この抗生物質は、同時に顎骨膿瘍の形成(?--進行?)を押さえる役割を
兼ねているとのことで、しばらく続けることになると思います。
今回は10日分が処方されました。

先生がおっしゃるには、イヌやネコならば抜歯する状態にあると、でも
ウサギの場合口が大きく開かないため抜歯は出来ないとのことでした。
本で見ても、難しい手術であるようだということは理解できます。

ウサギの歯は一生伸び続けるという事実が、重くのしかかります・・。
今現在は食欲も元気もあり、どこか悪いようには見えないウサギですが
もしもこの状態のまま放置した場合、どうなってしまうのでしょうか。
伸び過ぎた歯が、やがて周りの組織を傷つける(眼球を圧迫したり、皮
膚をつき破ったり)といったこともあるのでしょうか。
とりあえず歯の伸びる方向を、(歯根方向ではなく)ちゃんと口腔内方
向に向くように、修正することは出来るのでしょうか。--勿論そうなれ
ば、定期的な麻酔+トリミングが必要になると思います。
また、歯根の石灰化(?)によって「歯の成長が止まる」という症状を何
かで見ましたが、意図的にこれを起こすことは出来るのでしょうか。
あるいは、やはり「抜歯」が唯一のオプションになるのでしょうか。

今お世話になっている先生は、ウサギはご専門ではない先生です。
聞くところによると、ウサギの診療は、現在日本の学校のカリキュラム
には無く、開業獣医師の先生方ご個人の努力に負っているのが現状なの
だとか。この5年間、こちらの病院でのウサギ医療の進歩を目のあたり
にしてきて、--勉強なさって下さってるんだなあと素直に思える今の先
生には、感謝もし、その意味でひそかに信頼もしています。

もしも「抜歯」しかない、として、「出来ない」とおっしゃる先生に対
して「そこを何とか」とお願いすることは、得策でしょうか。ウサギの
抜歯は、経験がない場合にはやはり、技術的にリスクが大きいのでしょ
うか。
あるいは「(抜歯)出来る他の病院を紹介して下さい」とお願いするの
は、一般に獣医師の先生方にとって失礼に当たるでしょうか。

・・とはいえ私の住んでる地域は首都圏とは違ってそれほど動物病院に
選択肢はないと思いますが。秋田県秋田市です。仙台くらいならば、多
少無理をすれば連れて行けるかもしれないと思っています。もしもこの
近辺で、良い病院のお心当たりがおありでしたら、併せて教えていただ
ければ幸いです。

長文の上まとまりがなく恐縮です。どうぞよろしくお願いします。

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