獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200004-367

Re:くる病について
投稿日 2000年4月30日(日)22時28分 Mon

基本的なことしか言えませんが...
くる病は、食事中に含まれるカルシウム、リン酸の不足、
食事のバランスの悪さによって起こる、骨の正常な発育
を阻害する病気です.

・カルシウムの不足(生後間もなく早くに売りにだされ、母乳を
摂取できなかった、ジャーキーや米を主食に育てられた、日光浴
がたりない状態の飼育)
・カルシウムとリン酸の比率がアンバランスな食事を食べ続けた
・ビタミンDの不足 
・ バランスの良い食事を与えていても、慢性的な下痢、消化管内寄
生虫によって体内が栄養不足になり、発病することがあります。

子犬に多く、関節の腫れ、痛み、変形、成長の遅れ等が現れます.
前足が曲がったり、足がO脚になったり、背骨が曲がったりといった
ものです。骨や歯がもろくなり、骨折しやすくなり、歯の変色も見ら
れます。

いずれも幼少期の栄養状態などが関係し、治療はまだ子犬であれば
成長期ですので、獣医師のプログラムに従って栄養強化すれば、
多少なりとも悪化を食い止められるはずです。
(手足の湾曲は戻らないと思いますが...)

生涯カルシウム剤やにぼしなどの日々の摂取が必要になります。
カルシウムは摂取過剰で便が固くなったりといったこともあるので、
分量は信頼できる獣医師に従ってください。

大型犬ですので、太らせない、無理な運動(自転車での引き運動など)
をさせないようにして、骨への負担を減らすのが大切です。

しかし、私はくる病で「手足を切断」なんて聞いたことがありません。
しかも300万とは...ちょっと(^^;)
うちの猫はくる病で背骨が曲がっていましたが、15才まで生きましたし、
まして大型犬が手足を1本でも失うと、大変な負担になります。
どうか多少の出費をしても、良い獣医師の元で検査を受けてください。

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