獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200005-183

マルチレス
投稿日 2000年5月15日(月)11時21分 プロキオン

5月14日の ぽっぽさんへ
ヨーキーにおける膝蓋骨脱臼は珍しいものではありません、70
%くらいの子がその素因を有しているのではないでしょうか。
脱臼そのものについては膝蓋骨が外れているか否かですので、亜
脱臼という表現には疑問を感じます。おそらく、滑車溝が浅いと
いう意味で言われているのだと思います。
予防法というものはありません、全て脱臼の症状(グレード)に
応じての処置ということになります。無処置あるいは膝蓋骨を手
で元の位置に戻すだけのものから、複数の手術を組み合わせたも
のまで様々な段階があります。疾病がどの段階にあるかをただし
く把握することがポイントです。
多くの子は膝蓋骨脱臼と付き合って普通に暮らしています。重症
の子はやはり治療が必要です。

5月15日の ゆみさんへ
雌猫のスプレーでお困りですね。スプレーを緩和する製剤が最近
では手に入るようになっていますが、書き込みから拝見する限り
ゆみさんのお宅で猫が落ちつくことができない情況にあるように
感じました。
(別に叱られているからということではありません)
原因を捜して見て下さい、薬に頼ってもやはり原因が放置されて
いる限り、同じ事が繰り返されるように思えます。

5月15日の ウサギの奥歯
歯を削るしかないのかというご質問ですが、私も主治医の先生の
説明と同意見です。ウサギの臼歯を抜くということは、とても大
変なことであり、一歩間違えると顎の骨を骨折しかねません。ウ
サギはウサギであり、犬でも猫でもありません。いっしょには考
えることはできません。ウサギを飼育するということはウサギを
知ることであり、現状では主治医の先生の意見に賛同される獣医
師は多いと私は思いますよ。
どうしても抜歯を希望される場合は一切の責任は飼い主が負う旨
を申し出てみてはいかがでしょうか?

5月15日の はりねずみさんへ
小鳥の呼吸器病はよくオウム病にされてしまうのですが、他に病
名を知らないのだろうかと思うことがありますね。
実際には病原体のクラミジアが確認されないと確定診断にはなら
ないですね。で、臨床家の場合はどうするかというと検査に出す
出さないは別として、類似疾病に共通して効果がみられる抗生剤
を服用させます。およそ1月投薬を続けるとクラミジアの排泄は
見られなくなるそうです。
以前、CAPに記載されていた文献によると、
飼い主と獣医師とを比較すると小鳥由来のクラミジア抗体の保有
率には差が見られなかったが、猫由来のクラミジアの場合は有為
な差が認められたそうです。クラミジア感染についてなら猫の方
が危険度は高いようです。
ちなみに、オウム・インコ類はオウム病に比較的耐性があるため
抗体保有率が高くなるそうです。耐性のない種類の小鳥は早期に
死んでしまうために疾病としては見過ごされることになりがちな
のだとか。

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