獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200005-405

きたむらひろこ様。
投稿日 2000年5月30日(火)14時41分 岩谷

きたむらひろこ様

「ペットショップから購入の子犬が心臓に障害を持っており、
それが、購入後の健康診断で分かったので、子犬をペットショップに
返した。」
とのあなたの書き込みを読み、驚いています。

きたむらさん。あなたによって店に返された子犬に待っているのは死です。
そのような子達が生きていけるほど、日本の動物を巡る状況は甘くありません。

あなたは犬を飼った(購入にせよ、もらい受けるにせよ)自己責任を
どのように考えているのでしょうか。お聞かせ下さい。
犬、猫を飼うということは、その子の全存在を引き受けることです。
24日前の子犬購入時、あなたはその子犬の将来に起こるであろう、
良きこと、楽しいこと、大変な事、病気、すべて引き受けるお約束で、
飼い主になられたはずです。

私は無責任な飼い主に捨てられた犬、猫の里親探しをしています。
生まれながらに、右目眼球がない子犬、
生まれながらに、目に膜がかかっていた猫、
交通事故で、顎が割れた成猫、
そんな障害を持った犬、猫を保護してきました。
優しい里親さんはいるものです。
すべて里親さんにもらわれていっています。

障害があり、経済的にも負担がかかる事が判明した時点で、
なぜ、里親を探す道を選ばなかったのですか。
また、他の獣医の意見をなぜ聞かなかったのですか。
手術以外の道があったかもしれません。

あなたの書き込みは、自己責任を回避し、もっと早くに健康診査を
していれば、この後味の悪さはなかったのでは、との内容です。
あなたの主張は、、、
お金で買った商品が欠陥だったから返したけれど、なんか悪いことを
したみたい。でももっと早くに健康診断をしていれば、早くに子犬を返せて、
こんな後味の悪さはなかったに違いない。また、欠陥商品を売った方にも責任は
あるのだから、これで良かったんだ、とのいいわけの様に、私には聞こえます。
ブランド品の欠陥商品は、早くに検査しましょうということでしょうか。

あなたには、犬を飼うということが、お金で購入するという消費行動とは、
全く無縁の、人間の責任感や心といった精神の問題であることが、全く
分かっていらっしゃらないようです。



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