獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200006-306

抗ガン剤と胸水穿刺について
投稿日 2000年6月21日(水)20時32分 Suzuka

人医です。 チワワ2頭と甲斐犬1頭を飼っております。

抗ガン剤は、あくまでも腫瘍細胞を殺すためのものですので、それを使うこと
で楽になるという効果そのものはありません。
ただ、固形腫瘍の縮小によって臓器の圧迫をとったり、胸腹水を減らしたり、
白血病の寛解による症状緩和作用という点では『楽になる』こともあると思い
ます。

胸水穿刺ですが、一時的な手段として注射器でひくこともあります。
白血病で免疫能が低下しているときには、留置針を置きたがらない先生もいる
ことと思います(感染の可能性が高くなるため)。
穿刺は肋骨の間から行いますが、ナディア様が書き込まれているように、肺を
傷つけないようにするのが一番の留意事項となりますので、あまりギリギリま
で水を抜くと針先で肺を傷つけやすいために、必要最小限(呼吸困難がとれる
程度)しか抜かないのだと思います。

以上を前提にしてですが、フィラリアの予防薬やワクチンと違って、白血病は
死に至る病気であり、その治療は獣医師・飼い主間で十分な信頼関係がないと
行いにくいと思います。
現在の先生ともっとよくお話し合いになって(思っていらっしゃることを全部
きちんと伝えて)みてください。
それでも食い違いをお感じになるようでしたら、転院というのも飼い主が納得
する上でのひとつの有効な手段であると思います。

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