獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200009-135

いろいろ。長文失礼。
投稿日 2000年9月12日(火)01時26分 はたの

獣医師ではありませんがご参考まで。

>ヒメウズラが夜中に騒いだ
鳥は何かの弾みで夜中に急に暴れることがしばしば起こります。その原因、または結果として何らかの身体的異常がない、という保証はありませんが、単に寝ぼけただけというほうがありそうです。現実問題としては、普通の開業医で、普通に行える検査で異常を発見し、治療できる確率は低いように思います。気をつけて観察し、繰り返し起きるようなら再度対処法を考える、というしかないのではないでしょうか。

>甲斐犬の臭いがきつい
歯石の沈着や歯周病がまず疑われます。口がにおっていても体全体が臭いと感じられるものですから。獣医師に診てもらい、必要なら麻酔下で治療、その後歯の手入れ法を教えてもらう、のが良いと思います。
また、立ち耳のイヌでも、耳のトラブルも考えられます。外耳炎もにおいますから。
やや「洗いすぎ」ではないかと気になります。過度に洗って皮脂を取りすぎると雑菌が皮膚で繁殖したりします。8歳ともなれば代謝も落ちますので、いままでと同じペースで洗うと皮脂の補給ができない、といったことかもしれません。
まずは検査を受けられることをお勧めします。

>コウモリ
コウモリには暖かく乾燥して外敵から保護された休み場所が必要なのです。野生動物が自宅を「自然に」利用してくれるって素晴らしいことではありませんか。退治などとおっしゃるず、ベランダの糞をこまめに洗い流すなどして、自然との共生を心がけていただくことはできませんか? コウモリは人が不快がるカなどを食べてくれる、私たちの心強い隣人なのですから。

>ムササビの離乳食
ムササビは年に2回繁殖することが知られています。春の繁殖は若葉が萌えるころに子が巣立つことを、夏の繁殖は液果が実るころに子が巣立つことを頼みにしています。その意味では、果物を離乳食に使うのは合理的と思います。
が、大人のムササビは、秋口には果物も食べるものの、全体としては木の葉が主食です。自然の果物はヒトが食べる果物ほど甘くないことも考え合わせると、市販の果物ばかりでは甘すぎ、糖分が多すぎ、繊維が少なすぎることも推測できます。果物と、自然の木の葉を主とし、もし食べるなら若干の昆虫、といったあたりが妥当な気がいたします。木の実も食べないことはないかもしれせんが、「主食は木の葉」ですので、ごく少量にとどめないと、カロリーが過剰になりそうですね。「リス科」といっても食性は多用ですので、「木の実を食べるリス」のイメージには囚われないでください。ヒマワリの種はその意味では原則として使わないのが安全ではないかと思います。
たとえ善意で保護する場合でも日本の野生動物の飼育には許可が必要ですので、もしまだでしたら、お早めに行政に届けられますよう。アドバイスも得られることと存じます。

>妊娠とインコ
意見交換あるいは鳥bbsの過去ログにたくさん書き込みがありますので詳細はそちらを見ていただくとして、結論としては、「口移しに餌をやらない、といった常識的な注意を守るなら、妊娠したからといってインコを手放す必要はない」ということになります。無知からくる先入観や偏見に負けないでくださることを願っております。

>イヌの遺骨
 ことが動物の生命や福祉に関わることではない(すでに亡くなっているわけで)ので、地域の習慣にも一定の敬意を払ってもよいかとは思います。が、庭の一隅に埋めることが一般常識としてヘン、ということはありますまい。特殊な風習がない多くの地域で、愛した動物が死んだら庭に埋める(骨にしてからではなく直接に)というのはわりと自然でしょう。動物の交流を描いた文学等でも多く確認できます。
拙宅では(幸い、引っ越す予定はないので)庭の一隅に石を積んで共同墓地として、死んだ動物の多くは(資料として浸液や冷凍で保存するものもありますが)そこに葬ることにしています。身近における分、個人的には、霊園等を利用するより好きです。

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