獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200012-119

Re:予防接種の時期に関して
投稿日 2000年12月14日(木)16時37分 EVANS

通常と思われる(ごく一般家庭的な)飼育環境下における、ワクチン接種時期に
関しては、たしかに生後60日、生後90日に行われるのが、一般的かと考えます。
その接種時期の根拠たるもののひとつに、母犬から移行抗体(母子免疫)が、
いつまで有効に仔犬の体内に存在しているのか、という考え方があり、一般的に
それに準じて考えるに、仔犬の体内で、徐々に減弱してくる移行抗体の効果が、
完全に弱まるであろう生後55日前後を過ぎた、生後60日あたりが、一回目の
ワクチン接種適期ではないかと、いう事になります。しかしながら、ペットショップや
ブリーダーなどの一般家庭的でない環境においては、当然、複数等飼育であり、
また、不特定多数の個体(犬)が、充分な健康チェックなく、出入りする事について、
やむを得なしと考えられてしまっている部分が多くあります。その結果、当然、
一般家庭とは違い、ウイルス性感染症発症の危険性も高く、さらに徹底した、
ワクチン接種時期を設定する必要がある場合も、考えられると思います。例えば、
パルボウイルス感染症に関していえば、仔犬の母子免疫による防御能は、生後
40日齢あたりで減弱し、完全なる感染予防を継続・維持させる為には、その時点
(生後40日齢)で、1回目のワクチン接種が必要であり、その後、生後60日齢での
接種で感染予防が維持できる、他のウイルス性感染症の為に、生後60日の再接種、
後は、ごく一般的に、ワクチンの増強効果、確認接種の意味合いをもって、90日齢
で、再々接種といった、ワクチン接種プログラムも、充分に理にかなったものだと
思います。

上記は、生後40日齢でのワクチン接種に対する根拠のごく一例に過ぎません。
当然、店舗には店舗としての都合や、店舗に属した獣医師の都合もあるかもしれま
せん。信憑性の問う事を問題とするのではなく、1回目のワクチン接種獣医師もしくは、
担当の店舗責任者に、生後40日齢でのワクチン接種の意図するところを、ご質問され、
その説明の内容を、ご確認されることが、よろしいのではないかと思います。

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