獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200012-136

Re:トリコモナスは完治が難しい病気なんでしょうか?
投稿日 2000年12月17日(日)11時55分 EVANS


トリコモナス感染の有無についての診断は、糞便中に運動性を持つトロフォゾイト
(トリコモナスの一つの世代)を確認することによるのが、一般的かと思います。
トロフォゾイトは、下痢が発現している個体の糞便中に、時折発現しますが、必ず
しも、下痢の原因がトリコモナス(トロフォゾイト)にあると言えるわけではなく、
「下痢をしてしまった結果、トロフォゾイトが糞便中に確認されるようになった。」
という解釈の仕方も、トリコモナス(トロフォゾイト)感染には成り立つのではないか
と考えます。
まわりくどい表現になりますが、「飼養環境・飼育状態の変化といったごく一般的な
原因から、下痢という症状を引き起こした結果、糞便検査において、日和見感染的に
発現した、トリコモナス(トロフォゾイト)を確認した。」という解釈が、「トリコモナス感染」
に対しては、成り立つのではないかという事です。必ずしも、トロフォゾイトの下痢症との
関連も明確ではなく、実際、抗トリコモナス剤的なものを投薬せずとも、ごく一般的な
投薬で、下痢症は改善する場合が多いと考えますし、糞便の状態が改善すれば、
自然にトロフォゾイトも現認できなくなることも、多く認められます。

治療方針や投薬方法は、個体個体の状態で、担当獣医師が判断すべきものかと思い
ますので、あくまでも、一般論だとご理解いただける事を期待します。
(文章が、理解しにくいかもしれません、すみません。どなたかにフォローしていただけ
るとよいのですが…)

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