意見交換掲示板過去発言No.0000-200012-156
鳥の糖尿病 |
投稿日 2000年12月20日(水)04時28分 sutemaru
ヘイQさんへ 始めに鶏という事では無く、穀食鳥類と言う事で説明させて頂きますね。 哺乳類の糖尿病と肉食鳥類の糖尿病は類似していますが、穀食鳥類の糖尿病は違うと言う事をまず頭に置いておいて下さい。 簡単には説明は難しいのですが、一番の原因は穀食鳥類と哺乳類では膵島のアルファー細胞とベーター細胞の分布が著しく違っていると言う事だと思います。 穀食鳥類の膵臓及び血清グルカゴン濃度は哺乳類に比べて5〜10倍と言われています。 空腹時のインスリン/グルカゴン比は哺乳類の3.0〜3.5に比べて、穀食鳥類は1.3〜2.0にすぎません。 鳥類ではグルカゴンが主要な血糖調節ホルモンで、インスリンはグリコーゲン合成とグリコーゲン沈着を刺激し、抗糖新生作用がありますが、抗脂肪分解作用は無く、グルカゴンは非常に異化作用が大きく、糖新生、脂肪分解、糖原分解などを刺激しています。 グルカゴン分泌の最終的な影響は顕著で急速な高血糖です。 鳥の正常な血糖値は250〜500ミリグラム/デシリットルで哺乳類よりかなり高いですが、糖尿病鳥では500〜1 800ミリグラム/デシリットル程度まで変動します。 鳥でもその値にまで上がれば糖尿病になるということですね。 肉食鳥類を除く鳥類の糖尿病はインスリン欠乏が原因と言うよりは、グルカゴンの過剰産出が原因になると言う事では無いかと言われています。 糖が高いのに人間と比べてどうして平気かと言う事の返事にはなっていないかもしれませんが、鳥の正常値がそうなのだという感じで理解するといいのかもしれません(^^ゞ |
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