意見交換掲示板過去発言No.0000-200103-104
夢さん りんママさん |
投稿日 2001年3月14日(水)12時12分 プロキオン
>夢さん 教科書には、精巣が鼠径輪の外側で2個とも触知可能な16週齢以下の個体と 記載されていました。 さらに、手指による操作で陰嚢開口部まで移動可能なものはホルモン治療に反 応する可能性が高いとなっています。 私があえて、時期と条件としか書かなかったのは、この内容があまり実際的で はない(適応可能な症例が少ないと思われる)のと、逆に早く薬を使わないと という無用の不安をあおるのを危惧したからです。 書き込みを読むかぎり夢さんの犬はあまり効果が期待できないと思われます。 前回も述べましたが、この問題については飼い主と獣医師とでかなり見解が異 なってきます。遺伝的な問題をかかえている子は、やはり繁殖に使用すべきで はありません。繁殖に使用するのでなければ、陰嚢内に下降させる必要はない し、外科的な処置を選択される方が早くて確実です。 これは決して、商売としての発言ではなく、獣医師としての倫理観からの意見 です。 >りんママさん 過分なことばをいただき、恐縮します。私の個人的なパーソナリティは両親か ら受け継いだものですが、獣医師としての姿勢は師匠にあたる先生や有人・先 輩の各々の獣医師から授かったものです。 お礼としてそれら人たちに返すものは持ち合わせていないので、後輩達に託し ていくしかないなと考えています。さらに重ねて言えば、託すべき後輩という のも獣医師である必要はないのでしょうね! 獣医師は、見た目程は儲からないですよ。何回も書いているのですが、公務員 時代の方が手取りの収入はありました。 所得税や事業税を払わなくても良い年というのがあるくらいですよ。別に税理 士さんにお願いしてとか帳簿を操作してというのではありません。ちょっとし た怪我や病気で何日か病院をしめるような事態があれば、それはてきめんです。 開業して何年かは早く税金を払えるようになりたいと考えていましたが、払わ なくてはならないようになると、どこにそのお金があるのだろうと思うように なりました。 購入しなくてはならない器具器材や薬品も多くあり、病院を維持するというの はとても大変なことなのです。収入があっても出て行く分も相当にあります。 労力のわりにはちょっと引き合わないというところです。 このあたりの事実は、この掲示板を読んでいる方で私の病院へ来院去れている 方々が証言してくれるかもしれません。 医者になれる学力があるのなら、医者になった方がよいくらいです。少なくと も夜間の入院患者の様子は看護婦さんが診ていてくれます。獣医師ですと自ら が実効しなくてはいけませんし、外科に内科に産科まで1人でこなさなくては なりません。排泄物の処理もしかりです。 そしてなにより、個人でできることは限界があることです。この仕事には本当 にいくつもの壁があります。流行というので追う職業ではないですね。 小学生や中学生なら、夢を追って欲しいと思います。でも、実際に大学を受験 する段階に達しているのなら、現実の厳しさも知っていて欲しいですね。 |
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