獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200104-11

reはじめまして(へっぽこ様)
投稿日 2001年4月2日(月)02時25分 はたの

獣医師ではありませんがご参考まで。

>では『人間における指紋』のようにDNA鑑定ほど
>難しく考えないで簡単に動物の種類(例えば犬で考えて犬種のみならず
>同犬種においても一匹一匹の情報をそれを見るだけで確定できるような
>情報)を知ることの出来るものはありますか?

 種の同定ではなく、同種内での個体識別ですよね。
 たとえばウシでは鼻紋、ウマでは夜目(という小さな肉球様のモノ)の文様などが個体識別に使われています。写真にとってファイルするなど。
 しかしイヌなどではこうした便利なものはないようです。だからこそ、入れ墨やマイクロチップが使われるわけでして。日本では入れ墨はほとんど使われず、マイクロチップが使われ始めたといったところですが、マイクロチップのデータ整理センターはすでにあると聞き及んでいます。
 そして、マイクロチップにしても、小型のものに大しては負担が大である、破損・脱落・体内移動がある、などが完全に解消されていないので、DNAによる個体識別が検討され始めている・・・ということだと現状を理解しています。
 DNA指紋法は、ヒトの親子鑑定に使われるのと基本的に同じで、たとえば京大霊長研ではニホンザルの父子関係研究に使っているはずですし、イヌの父子関係確定を行っている民間業者も国内にあるはずです。また、帰化しやすい(かつマイクロチップが使いにくい)エキゾチックペットの個体管理・追跡に使おうという検討も行われています。
 コンピュータシステムということであれば、この分野のほうが可能性があるかもしれない・・・と感じます。一口にDNA指紋法といっても、染色体の数も構成も異なる多くの種類に対応するには、遺伝子のうちの「どこを」読めば個体識別ができるのか、といったややこしさがありますから、その整理にデータベース化はおそらく有効ではないでしょうか? ちなみに詳しくわかっているヒトの親子鑑定でさえ内外価格差は小とはいえず、また、個体識別以前に、(肉眼では判別できない鳥などの)性鑑定にもDNAは使われていますが、こちらは国内に一般向けの業者さえ(たぶん)存在しません。どのぐらいのビジネスチャンスがあるのはわかりませんが、こうした分野への要望はいずれ増すかもしれない、とは思います。

 

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