意見交換掲示板過去発言No.0000-200104-187
>繁殖…… つれづれ |
投稿日 2001年4月19日(木)03時23分 NOKO
そろそろ善意の誘拐(笑)も始まる季節ですね。 春になり、巣から落ちてくる(落とされてくる)裸に近い雛鳥を見つける度に 私の中では同じ葛藤が生まれます。 自然淘汰されながら繋がり続ける鎖の中に、私が入り込んでいいのだろうか…。 自分以外の命に対して「この個体の遺伝子は子孫を残しても良く、このこはだめ」 という絶対的な判断は誰にもできないことでしょう。 (人間に置き換えて考えてみるととても恐ろしい思想です) 自然の山の中では片手の無いお猿さんも、りっぱに子育てをして見せてくれます。 ただ 純粋に自然の摂理で手の不自由なお猿さんが生まれるのか 人間達の続けてきたことのしわ寄せが 彼らにこうしておこっているのか…? 人の手によってブリードを重ねられた種への影響は誰が見ても明らかですよね。 良くも悪くも人間と深く関わりながら生きていくことを余儀なくされた動物たちは、 生むことも生まないことも 繁殖のパートナーさえ人の判断で決められてしまいます。 そしてそのむごい判断を押し付ける自分たちの勝手さを分かっていながら、 人は彼らに一緒に暮らしてもらい 救い・助けを求めることをやめられません。 とても温厚な我が家の猫も、避妊手術をする際、獣医師にだけにはシャーと吹きました。 私の知る限り彼女があんな顔をしたのはその一度だけです。 1泊の入院から帰ってきた彼女は、1週間ずっと私の後追いをして甘えました。 ブリーディングキャットのリタイア組で、縁あって私のところに来てくれた彼女が 背負って生きていく過程。物言わぬ甘える瞳に心が痛みました。 たくさんの愛情と喜びと悲しみと あるときは不都合を与えてくれる小さな命。 彼女が一心に与え・求める愛情に、私はいったいどれだけのお返しをできるだろう と思うと悲しくなります。 せめて見詰め合いながら、ふたり一緒に一日でも長く時間を過ごしましょう。 そしてどちらかが逝く時には、淋しくないようにぎゅっと抱いててあげたいね… 明らかなのは、他の誰よりも彼女を愛しているのは私であるということ。 それを彼女もわかっていてこの生活を納得してくれると勝手に私は信じています。 ちょっとしたねずみ算のように猫や犬が増えていくこの国では、 次の世代の人間がどんどん少なくなっています。 全体の均衛は誰かが保っていくしかないのです。 せめて迷い気づいた人から始めていきませんか。 |
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