獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200104-364

遺伝性疾患について
投稿日 2001年4月26日(木)13時42分 T

遺伝性疾患を増やすことを是とは私もしません。
ただ、今生きているものを疾患(障害)があるからといって
不幸とは、簡単にはいってはいけないと思います。
なお、商品としてのペットの繁殖については
それなりの制約・規制...例えば許可制というのが必要だと
私は思っています。ただ、個人レベルでは...
その功罪を十分考えたうえでやはり個別的に結論を出す...
しかないように思います。

確かに、足がない子痛む子、眼が見えない子をみて
哀れ嘆き...毎日そうやって暮らしている人がいると思います。
我が身の不幸?を呪い、なぜ産んだんだ...早く死にたいと
思っている動物もいることでしょう...(本音はそんな動物はいない、
と思っています)。ただ、
世の中には、疾患(障害)を受け入れその生に喜びを感じている人、
疾患(障害)があっても健気に生きようとしている動物もいます。
もし、そういう人・動物がいるとして、そういう人・動物を想えば、
....やはり、“...だから、不幸だ"とは私には言えません。
ちなみに、五体満足だからといって苦痛がない..ということは
ないですよね。ただ、苦痛はない(少ない)ことにこしたことはない、
だからどうする...それを考え実践していくのが獣医師の役目だと
私は思います。

実際、他に人からみれば片輪で哀れな子なのかもしれません、
生まれてきてはいけない子だったのかもしれません、
しかしその飼い主からすればかけがえのない子...
その愛おしい子の子が欲しいと思う気持ちは自然であり
決して非難されることではないと思います。ただ、
現実も大事...そこで、表現を変えてみる、言葉使いをよく考えてみる、
言葉遣いに十分留意することが大事だと私は思います。

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