意見交換掲示板過去発言No.0000-200104-74
本川説について |
投稿日 2001年4月7日(土)23時08分 はたの
本川説擁護の立場に立つわけではありませんが。 欠点の多い仮説が科学的が仮説としてどうか・・・という問題と、ある視点を広く一般に紹介した功績とは分けて考えるべきと思います。 私見ですが、趣味で行う以外のほとんどすべての科学は社会にコストを負っているくせに、社会への還元が少ない、と感じています。端的に言えば、研究者が一般書を書いても評価されず、論文だけ書いていれば評価される風潮が少なくとも一部にあるのが気にいらないのです。本川説批判も複数目にしましたが、「サイズ動物学者」たちが本川以前に彼らの主張するところの「もっとマシな」説を一般向けに発言しなかった不作為は責められてしかるべきと考えます。少なくとも、本川説があってこそ批判が取り上げられやすくなったとの自覚は要るであろう、と。他人の尻馬に乗るのは簡単ですから。不正確だろうが雑だろうが大衆ウケねらいであろうが、先行者の勇気を誉めたいと。 サイズの生物学関連で、本川によるもの以外に、読みやすく入手しやすい文献があればぜひご紹介ください。 >計算式から事実に気がついたのではなく、いくつかの動物の心拍数から事実に >合う計算式をつくったのです。 これのどこがいけないのか、不思議です。 事実から仮説を立て、その仮説がより広範な事実に合うか検証する、のは妥当ではありませんか? 本川説の問題は「事実に合う計算式をつくった」ことではなく、 >例外にやたら出くわします。 の、例外の扱いについて強弁しているか否か、ではないでしょうか。ここについては本川説には大いに批判の余地あると思っています。 で、「事実から計算式をつく」ることと、「したがって例外に・・・」とが論理的必然として結びつくとは思えません。 「例外が多いこと」およびその「処理方法のまずさ」は、「事実に合う計算式をつく」ることから導かれるとは限らないのではないでしょうか。 例外が多いことおよびその処理が必ずしもスマートでないことは同意しますが、その原因を「事実に合う計算式をつくった」に求めるのには疑問を抱きます。 「ゾウの時間ネズミの時間」が本棚の中に隠れているので確認できず(この本からスタートしましたので、その後の理論の拡張についてはここでは触れていません)、したがって質問形式にとどめておきますが、 >犬では、体重の重い大型犬の方が軽い小型犬よりも比較的短命ですし、GOさん宅の鳥についても体重と寿命が比例していないはずです。 「島の法則」など持ち出して、その種の基本デザインに合うサイズ、について言及ありませんでしたっけ? また、論じているのは哺乳類であって、鳥は扱っていなかったような覚えがあるのですが。 >魚という生物も不思議な生き物で、今もって飼育下の寿命が自然寿命を超える ことができません。 こうやって一般化して断言していいものでしょうか? 事故疾病等による損失を棚上げにして生理的な限界寿命を考えると、自然状態のそれを飼育下で越えられることが未確認の種もありますが、超えられることが明確な種(ネオンテトラやらアユやら)も思い浮かびます。 >それでも50〜60年生きてくれる鯉もいるわけで、その >体重を考えると体重と寿命が比例するいう理論に誤りがあることが分かります。 ここも、本川説が、大分類を超えて成り立つとしているのかどうか、疑問なのですが。 >これを冬眠するからと解釈する考えがあり、このことが一番困るのです。つま >り、ハムスターのように疑似冬眠する動物に対して、冬眠している間は心拍数 >が低下している、一生の間の心拍数が一定であるのなら冬眠させれば長生きで きるという発想がでてくるからです。 「冬眠させれば長生きする」のが常に正であるか、の議論と、時にその効果がみられることもある(=「冬眠させないと短命」ないし「冬眠させると長生き」が「時に正である」)とは分けて考えるべきではありませんか? >実験してみれば、その結果はひじょうに >良く分かるのですが、決してお勧めするわけにはいきません。 どんな実験でしょうか。ぜひご紹介いただけませんか? うろおぼえの範囲ですが、知っている限りで最新&比較的大規模な対照群おいたシマリスの冬眠実験はまだ結果が出ていないように記憶しているのですが。「お勧めできない」理由は何でしょうか? 仮に冬眠中の死亡率の高さ、であるならば、「寿命」のその議論の場における定義によっても意味合いは変わってきそうです。 >寿命を支配しているのは別の要因なのです。 ここまで詳しく本川説批判を書かれるのでしたら、ぜひその「別の要因」をご紹介いただけませんでしょうか。寝付けなくなりそうです。単にテロメア・・・ではありませんよね? |
|
|
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」 ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴) サポーターや広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)、 多くの人々に支えられています。 獣医師広報板へのリンク・サポーター募集・ボランティアスタッフ募集・プライバシーポリシー 獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。 @mukumuku_vetsさんをフォロー
Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved |