獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200105-297

re猛禽類と小型犬
投稿日 2001年5月25日(金)19時22分 はたの

出掛けておりましたので・・・。

 獣医師ではありませんがご参考まで。

 チワワぐらいの小型犬が猛禽に襲われることは在りえます。
 日本のオオタカの繁殖期のメニューの2 3パーセントは子ネコ、子イヌ、です。ただし、飼われているものを襲っていると言うよりは、野良ネコ(たぶんほとんどこちら)野良イヌの子でしょうが。能力的には、自分とほぼ同じ体重までの肉食獣を襲いうるでしょう。ちなみにオオタカが約1キロ、クマタカ・イヌワシが3〜4キロです。ただし、クマタカやイヌワシは普通の住宅地にはまず来ませんのでご安心あれ。
 また、猛禽は、種によって多少の差はあるものの、自分とほぼ同じぐらいの重さの獲物まで運ぶことが出来ます。ニワトリが矮小種でなくて親だったとするとまあ2キロ。オオタカにとって殺すことは出来ても運ぶのは辛いかも。トビは体格の割にハンティング能力が低く、大きく見えても体重はやはり約1キロですので(体重の割に翼が大きいのであんなに楽に飛んでいられるのです)、イヌが死にそうに弱って見えて、トビが自暴自棄になるぐらい空腹でないかぎり、小さくてもイヌは襲いそうにありません。

 で、現実のリスク管理としては、「クマタカ、イヌワシ(北海道ならオジロ、オオワシ)などがいる山に小型犬を連れてハイキングに行くのでない限り、通常は無視できる」だと思われます。自宅の庭に来るとかの気配があるのでない限り、住宅地ではさほど警戒なさらないでよいでしょう。住宅地で事故が生じるとすれば、よほどの偶然が重なって・・・でしょうから。カラスとか、野良ネコなど、あるいは物理的な事故のほうが危険かと思います。

 エピソードとしては猛禽が大きめの飼育動物を襲った話はたくさんあります。が、警戒するためにエネルギーを費やすのに見あうほどたびたびは生じない、わけです。アメリカなどで、子羊の死体を食べているイヌワシがしはしば目撃されたことから大規模な駆除が行われた歴史があります。が、よく調べてみると、別の理由で死んだものを食べていただけだと分かりました。今は駆除は行われておらず、保護されております。猛禽は、いざという時にはかなりのことをやってのけますが、普段はイメージほど勇敢ではないのです。

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