私は以前保健所で狂犬病予防員として犬猫等の苦情相談や飼い方指導をしていました。予防員は獣医師の資格が必要であり、獣医師であるからにはもちろん動物が大スキです。野良犬を捕獲したり、飼えなくなった犬猫を引き取って処分する動物愛護センターや保健所は、動物愛護の敵のように見られていますが、好き好んで処分している訳では決してありません。無責任な飼い主にいつも憤りを感じ、可愛そうな動物たちが処分されないですむようにならないものか、しかし、なかなか変えられない現状！
最近では、保健所等で犬の顔主に対ししつけ教室もやっています。たくろうさんの例を含め、吠えたり、噛んだり、いうことをきかない犬の多くの原因は権勢症候群というものです。犬は本来群れで生活し、リーダーを頂点とした順位をつけて社会生活を営んでいます。人に飼われた場合でもその家族の中で順位付けをしており、自分の順位より下の人間には従わないにです。かつてのリーダーと認めていたたくろうさんがいなくなったら、犬が家族のリーダーと思っているのです。リーダーは常に群れを守るために神経質になっており、近づくものに吠えたり、噛みついたりするのです。飼い主がリーダーとなり、犬を一番下の順位に下げなければなりません。そのためには、リーダーウォークをはじめ、餌は家族が食べ終わってから、一番順位の低い人が与えるなど、しつけ方を勉強してみて下さい。安易に犬を処分することなど考えないで下さい。しつけは根気が必要ですが、がんばってください。遅すぎて手遅れということはありません。愛護センターでは、捕獲された成犬でも、しつけ教室でのモデル犬として成功させています。