獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200108-210

RE さかさ睫毛について。
投稿日 2001年8月19日(日)18時05分 田口正行

犬の睫毛の異常には睫毛乱生(ひとによくみられるさかまつげ)、睫毛重生(犬ではこれが一般的です)、異所性睫毛(重生と同じ毛根からはえるがまぶたの結膜を突き抜けて角膜側に生えてくる)があります。
このうちの異所性睫毛では外科的に切除を行うことがありますが、一般にみられる睫毛重生では単純に生えてきたら抜く場合がほとんどです。
切除で問題が無い方法があれば切除を選択するべきだと思いますが、この毛が生えてくる毛根はマイボーム腺という涙液の油分を出す腺のために、あまり多くの毛根を障害してしまうと乾燥性の角膜炎を起こしてしまう場合があるからです。
睫毛重生の処置そのものは大抵点眼麻酔をかけるか、場合によってはそのままで抜くことが可能なことと、長期間、抜去だけで対応していても徐々に生えてくる睫毛が減ってくる場合が多いことなどから、僕は外科では無く毎回処置してもらっています。
ただし、獣医師によってはマイボーム腺に対する障害が少ない方法で処置を行われている可能性があります、もう一度主治医の先生と相談されることをお勧めします。

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