獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200108-244

re新生児への、ペットの影響?
投稿日 2001年8月23日(木)03時54分 はたの

獣医師ではありませんがご参考まで。

ただイヌであるだけで及ぼすものと、種類やサイズや性格によるものとありますが、イヌが乳児に悪影響を与えることは確かに在り得ます。アレルゲンにもなるでしょうし、噛むこともあるでしょう。が、噛むことについては、どういう工夫をすればそのリスクを減らせるか、飼育書等に書かれています。乳児大の人形、泣き声を録音したテープなど使って事前に慣らしておく、イヌが疎外感を持たないように出産前より積極的にかわいがる、運動量を増やす、などなど。また、あれこれ工夫したにも関わらず、同居を避けたほうがいい・・・という判断の基準についても書かれているものがありますので、林、フォーグル、フォックス、ネヴィル、オファレルといった著者の本(ネット書店で検索可能でしょう)を一読されることをお勧めします。
アレルギーについては、あまり踏み込んだ考察はぞんじません(お詳しいかたおられましたらご教示ください)。しかしどうも、イヌ=毛=アレルギー、というほど単純ではないようです。
私自身、かなりひどいアトピー性皮膚炎と喘息を持病に持っておりまして、子供のころも、また今でも、動物によって悪化させています。が、ステロイドをむやみに恐れなければ、完治しないまでも管理できることが多いわけですし、子供が生まれるからイヌを隔離する必要はないと考えます。
アレルゲンとなるのはイヌだけではないわけで、そしてイヌ以外のアレルゲンをみんな排除することができるわけもなく、イヌだけを排除してみても始まりません。
そしてまた、仮にイヌをご家庭から排除したとしても、いつかは社会の中でイヌに接触するわけで、幼時からイヌと暮らすのと、ある程度大きくなってからイヌに始めて触れるのと、どちらがイヌアレルギーになる確率が高いかもわかりません。生まれた時からイヌと接しているほうがいい可能性もあるわけです。

で、さらに、イヌがいるからアレルギーになる・・・という事柄のリスクは、他のリスク(人込みに連れて行くとか)に比べて大きくなく、なのに、デメリットが大きくなります。「子供のせいで愛犬を手放した」という思いを持つ母親に育てられるのは、その子にとっても幸せではないでしょうから。
「親の勝手で赤んぼの時からイヌと暮らさせるのはかわいそう」などという意見も周辺からは聞かれるかもしれませんが、イヌ好きかどうか以外にも体格やら居住地やら職業やら、「子は親を選べない」わけなので、イヌについてだけ気にしてもしかたないでしょう。

イヌを連れ戻したい、とお考えならば、周囲の雑音に負けずに実行なさることをお勧めします。生後3ケ月まで待たず、生まれたその日からだって構わないでしょう。
周囲を説得なさるには、
「イヌを手放したら、私はこの子のせいだと恨みに思ってしまいそう・・・」などはいかがでしょうか。周囲のかたがたが本格的にイヌ嫌いなのならともかく、おそらくはご愛犬を思う気持ちの深さをイメージできずに軽い気持ちで言っておられるのでしょうから、最初だけうまく乗り切って、お子さんとご愛犬が仲良く遊ぶ姿が見られるようになれば、抵抗も弱まるのではないでしょうか。

端的には、注意は要る、が注意を払えば問題ナシ、だと思います。

◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

サポーター:日本ベェツ・グループ 三鷹獣医科グループ&新座獣医科グループ 小宮山典寛様のリンクバナー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。