獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200108-330

マルチレス
投稿日 2001年8月31日(金)17時05分 プロキオン

8月30日の レオナルドさんへ
「コハク酸プレドニゾロンナトリウム」の使用法法をお尋ねですが、こちらを
使用したらという出典は確かなものなのでしょうか?

プレドニゾロン自体はかなりいろいろな目的で投与されますが、今回の事例で
いけば、リンパ腫の腫瘍細胞の抑制という目的ですよね。当然薬用量もそれに
応じた処方と考えてよいと思われます。
一方、コハク酸プレも薬剤そのものとしては、同じものです。こちらの場合は
主としてショックやアレルギー性気管支炎、喘息のような場合に急速かつ強力
に作用してくれるよう用います。当然ながら、薬用量もことなりますが、持続
性と長期の連用には私としては向いていないと考えています。
通常、猫の白血病などの場合は、いくつかの抗癌剤をカクテルとして使用して
緩解(寛解)期に導入することが実施されています。フェレットといえども私
の理解の範囲ではこれと同様です。
以前、某ホームページでは、この抗癌剤のカクテルの処方を記載していたのを
見て、大変に驚いた記憶があります。


8月30日の 七重さんへ
とにかく、お近くの動物病院で受診されることをお勧めします。


8月31日の おばさんへ
私の県の獣医師会でレーザー療法のセミナーが計画されたことがあり、それを
希望されていた先生は、「椎間板ヘルニア」についてひじょうに画期的だった
ので、ぜひみんな見るべきだと力説していました。
そのセミナーは結局お流れになってしまいましたが、ヘルニアの髄核の内部の
中心部をレーザーで蒸散させて、脊髄への減圧を図るというものでした。
この手法は、従来の手術に比較して驚く程手術侵襲が少なくて済み、患者の負
担が軽度で済みそうです。つまり、体力のない患者にも適応可能とのことです。

患者がレトリーバーで、前肢後肢とも麻痺しているということであれば、これ
は、かなりやっかいな範疇にはいると思われますので、大きめの病院と連絡を
とって相談してみてはいかがでしょう。
まだ、メーカーの方でこういうことができますよとデモンストレーションして
いる段階ですので、実施可能と返事を貰える可能性は少ないのですが、逆にモ
デル犬として扱って貰える場合もあるかもしれません。


>えいとさん
すでに御本人から返信レスがきていますので、今さらなのですが、私もstemaru
先生と同じことを感じました。
死因の説名を求めるのなら、転院先の先生にもとめるべきでした。そこに ボ
タンの掛け違いがあったように思います。

大学を出て国家試験に合格すれば、獣医師の資格は手に入ります。
しかし、それだけでは診療はできません。
臨床診療を実際にやっている獣医師のもとで修行してから初めて、動物診療に
携わることになるのです。当然、修業先、研修先の獣医師の診断技術を踏襲し
た形になります。
獣医師の知識、技量は平準化されていません。同じ疾病でもまったく異なる診
断が下され違った治療となることもあるのです。とくに、エキゾチックペット
の場合は、本を2〜3冊読んだだけで、診療できますといってしまう獣医師も
存在します。
私は、むしろ分からないことは分からないと言える獣医師の方が信用できると
考えています。
また、獣医師間のネットワークというのも、個人的なつながりの上に構築され
ています。えいとさんが考えているようなシステム化された普遍的なものは、
現状ではないと考えておかれた方がよいと思います。

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