獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200108-92

8月6日の CHAPPYさんへ
投稿日 2001年8月8日(水)17時44分 田口正行

内科療法ではプロキオン先生の言われることで良いと思います。
高齢犬で低血糖を起こす疾患には、話題になっているインスリノーマ、肝不全、肝臓の腫瘍(インスリン類似物質をだすことがあります)、
などがあります。
インスリノーマは悪性の膵臓腫瘍ですが、外科手術がうまく行った場合の手術後の平均余命は12ヶ月ほどありますし、その間は比較的良い状態を保つことが出来ます(この病気の確定診断は血糖値と血中のインスリン濃度で診断できます)。
肝臓の腫瘍の診断にはは超音波検査または試験開腹が必要になるかも知れません。がお話の状態では予後が悪いと考えられますのであまり思いきった検査は行いにくいかも知れません。
肝不全ではアンモニアまたは胆汁酸、アルブミンの値からか、試験開腹と造影検査などでの診断になります。
インスリノーマによる低血糖では患者さんは通常、肥満しています(インスリンによって体重が増えます)ので、肥満していて栄養状態は良さそうなのに低血糖発作を起こします。
ですから低血糖の原因は糖新生の異常の可能性が高く、肝臓疾患(腫瘍を含めて)の疑いが強いように思われます。
全身状態が悪そうなので、確定診断はつかないかも知れませんが、もしも開腹手術などで診断が付いたら教えて下さい。


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