意見交換掲示板過去発言No.0000-200112-42
マルチレス |
投稿日 2001年12月6日(木)16時05分 プロキオン
12月4日の 鈴蘭さんへ びぎなぁさんからもレスが付いておりますが、私も歯(根尖の炎症)から由来 していると思います。ウサギには比較的多いパターンです。 で、一つ訂正があります。 「白い涙は膿」というふうにありましたが、厳密にいうとこれはやはり涙その ものです。 涙は3つの成分からできています。1番目が水、2番目が粘液、3番目が脂で す。これらの成分が各々の分泌腺から分泌されてひとつになって、初めて涙と して機能します。ウサギやげっ歯目の動物であまり瞬きの頻度が少ない動物は 水分よりも粘液や脂の分泌の方が多いものです。これは角膜表面からの水分の 消失を防ぐためです。炎症によって消失する水分量が増加すると脂の成分が増 加して来ます。このために涙が白く濁ったようにみえるわけです。 完全に目脂(めやに)として白く絮状物として認められるようであれば、これ は確かに白血球が出てきていると思います。動物病院でも多くの場合、炎症成 分によるものと説明していると思いますので、必ずしもびぎなぁさんが間違え て覚えてしまったというわけでもないでしょう。 そのように説明した方が簡単であるのと、その後の推移を説明するのに理解し やすいからです。 12月5日、「獣医のお仕事」 「獣医師の仕事」ですね。 我々、獣医師は大学では、大家畜(牛馬)、中家畜(豚)、家禽(鶏)の疾病 を授業として教わります。社会の需要が そちらの方がはるかに大きいからで す。そのあとで、小動物(犬猫)がとってつけたように若干あります。犬猫の 診療に携わる獣医師は全体から見れば少数派なのです。 したがって、ハムスターのようなエキゾチックペットについては、大学で教わ ったという獣医師はまず存在しないのではないでしょうか? では、どのようにして勉強するかといえば、これは独学か、友人知人に教えを 請うか、海外に学ぶしかありません。当然、自分自身の学んだ範囲の中からで は、飼い主さんの質問に答えられない場面も出て来ます。この点は御理解願い たいと考えます。 しかし、書き込まれた内容ですが、これについては、回答できない質問とは私 は受け止めていません。インターネットでは、よくこのようなときに何をどの ように食べさせたらよいのかという質問は飛び交っているからです。 飼い主さん同士の情報交換で、みなさんそれぞれに工夫されているのです。つ まり、獣医師でないと回答できないような質問でもないし、5軒の病院が全て 回答不能とも思えないのです。 これはどういうことなのでしょうか? 1〜2冊本を読んだり、セミナーを受 講しただけで、「診療できます」と発言している獣医師が増えているというこ となのでしょうか? 知らないことは知らない、分からないことは分からない と明確に言えることは臨床の場においてはとても大切なことだと私は思います。 それができないうちは診療対象に加えるべきではないと個人的には考えていま す。 そして、獣医療はなにも獣医師だけのものではありません。看護婦(士)さん も飼い主さんも これに参加しているのです。主治医がこのレベルであれば、 飼い主さんに任せても良いと判断されたのなら、それはそれでおかしな事では ないと思います。看護や介護に自信がないのであれば、これは逆に飼い主さん 側からその旨を申し出るべきです。 12月5日の Ryokoさんへ 前肢の脱臼で、方や「固定」、一方は「手術」ですか。これは、どちらも処置 としてはあり得ます。 脱臼が周囲の関節嚢や靱帯をどれだけ損傷してしまっているかによって、決ま るのではないでしょうか。軽微であれば、固定でよいし、完全にずたずたで関 節の温存がそのままでは無理であれば、手術は必要です。 しかしながら、アメリカの「獣医師」は患者を診察していないはずなのですか ら、主治医の「獣医師」の意見こそが優先されなくてはなりません。 私にしても、実際に患者を拝見していないのですから、どちらの「獣医師」の 意見が適切であるかは判断できません。また、書き込み内容にも判断の参考に なるような記載はありませんでした。 もし、主治医の「獣医師」が手術できそうにもないので、固定と言っていると いうように考えておられるのであれば、これは別の「獣医師」の診察を受ける 方が良いでしょう。ただし、これはネットではなく、実際に診察可能な現地の 「獣医師」が対象となります。 12月6日の sayaさんへ フェレットは人間の風邪に感受性があるので心配ということですよね。 心配であれば、病院へと言いたいところなのですが、風邪をひいている人間に 連れて行けというのも気が進みません。 どなたか、代りに連れて行ってくれる方はおりませんでしょうか? できれば、日常の世話も交替してもらえると良いのですが。 12月6日の チビのかあさんへ ジャンガリアンの骨折であれば、下手に手をださない方が良いと思います。主 治医の先生の意見に賛成です。 ハムスターの骨折の場合ピンニングが可能なのは、かなり限られた条件です。 そして、その場合も骨の捻れについては対応のしようがありません。外部固定 の場合では、本人がこれを嫌ってかなりひどいことになりがちです。ギブスも 皮膚と皮下織の結合がゆるく、骨の固定としては不十分です。これを意識し過 ぎてきつくしすぎると、皮膚が駄目になります。 相手がジャンガリアンであれば、骨折端同士が直接そろうように整復して、安 静にしておくのが最も妥当な処置だと考えます。この場合、敷料を厚くしいて 体重の分散を図るようにして下さい。運動の制限も必要です。 ハムスターは化膿し難いので、傷口が開放創でなければ、抗生物質もいらない かもしれません。もし、不安なら薬をいただくようにして下さい。 今回の症例とは異なりますが、開放創で骨折端が皮膚から飛び出してしまって いるような場合は、自分で噛み切ってしまう前に断脚がするのが無難です。 |
|
|
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」 ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴) サポーターや広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)、 多くの人々に支えられています。 獣医師広報板へのリンク・サポーター募集・ボランティアスタッフ募集・プライバシーポリシー 獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。 @mukumuku_vetsさんをフォロー
Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved |