意見交換掲示板過去発言No.0000-200201-126
レス;骨質 |
投稿日 2002年1月18日(金)12時13分 プロキオン
骨の質量の測定というのは、畜産試験場や養鶏試験場では、屠体を灰化させて 原子及光フレームを用いて測定していると思います。 我々臨床医が犬猫の場合にこれを当てはめることはできません。飼い主さんに 「こういう目的で骨の一部を採材させて下さい」とも切り出しかねます。また、 採材部位も統一されていないとなりません。血液を少し下さいというのとは、 条件が違うと思うのです。 ラブさんが知りたいと考えておられることは、飼料メーカーの実験室か人間の 医学部の研究室の方がデーターを持っているかもしれません。獣医学科という のは農学部の一学科ですので、避妊手術後の犬猫の骨の質量低下という研究テ ーマでは、ひじょうに通り難いものがあります。 人間の医学部であれば、疾患モデルとして犬猫を想定していれば、そのような データーを取り扱う機会はずっと多いように考えます。 レントゲンにおける骨密度の推測とうのは、ある程度可能です。とくに猫では 上皮小体の機能亢進症のように「ペーパーボーン」と呼ばれる骨が著しく脆く なる疾病もありますので。 我々臨床医のおいて重要なのは、実年齢が8歳であっても、内臓機能や骨が1 0歳とみなされるようであれば、10歳として取り扱うことです。育ってきた 環境や栄養状態が一様ではないのですから、実年齢よりも見かけ上の年齢の方 にウエイトを置かなくてはならないことは、ごく普通にあります。 骨のレントゲン写真は結構意味があります。 これに比較して歩行状況は、関節や靱帯、筋肉の衰え、肥満等のその他の要素 が多すぎるように思います。個人的には参考にはしていません。 |
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