獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200201-81

マルチレス
投稿日 2002年1月14日(月)12時16分 プロキオン

1月13日の なべさんへ
動物病院を開業したいのですか? 今現在がどのような位置にいるのかよく分か
らないので、回答が難しいのですが、土地と建物にかかる費用だけでもバカに
なりません。とくに都会ではね。
器具器材や医薬品についても、これでよいというラインはなく、上を見ればキ
リがありません。市内のある病院が売りに出た時には1億円という噂が流れま
したが、むろん、実際の価格はそれ以下で売買されたようです。
しかし、中古で無く新品であれば、話も違って来ますし、逆に患者がどのくら
いついているかでも価格があがることもあります。
では、実際に開業を予定している見習いの先生達はどのくらい貯金があると思
いますか、たぶん、中学や高校の同級生達よりも少ないはずです。
獣医師という可能性を元手にあちこちから借金しまくるわけです。どのくらい
のお金を集めることができたかで、それに応じた病院を開いているのです。極
端な話でいえば、鞄ひとつでも開業はできるのです。どのくらいあれば開業で
きるかではなく、こういう病院をやるにはどのくらいの金額が必要かというこ
となのです。その構想がないうちの金額は絵に描いた餅です。
また、その時点に至るまでにかかった学費と研修費は別途料金として計算して
ください!

1月13日に てるこさんへ
腎不全の猫についての御相談ですが、「安楽死ではなく、通院治療の中止」と
いうことであれば、これは飼い主さん御自身の判断で良いと思います。
患者の容態については私達には分かりませんので、これは主治医の先生の見解
を伺うしかないのですが、改善が望めそうなのか、望めないのであれば余命は
どのくらいなのか、またその期間における治療はどのようなものになるか、そ
のようなやりとりは今までなかったのでしょうか?
まず、一番最初に相談すべきはネットではなく、主治医の先生です。安楽死と
いうことでなければ、なお一層そのことが望まれます。充分に時間をかけて相
談された結果での治療中止であれば、その結果は尊重されるべきものと考えま
すが。

1月13日の はなさんへ
猫の伝世性鼻気管炎は、ワクチンを使用していてもやっかいな疾病です。これ
は病巣部の粘膜へ体細胞免疫が波及しがたく、局所の液性免疫に依存している
ところが大きいからです。では、これが無駄かということではなく、全身の免
疫状態を高く維持しておく事は大変に意味のあることなのです。
アガリクスもまた体細胞性免疫を高めることに目的がありますので、使用につ
いては否定はしませんが、ウイルスに直接働きかけることはありません。あく
までも健康補助食品です。過度の期待はよせないようにして下さい。大事なこ
とは、初期にキチンと治療して副鼻腔炎等に移行させないことです。

1月14日の アトム号さんへ
股関節の骨折というのは、骨盤における寛骨臼の骨折をさしているのでしょう
か? 大腿骨骨頭の骨折なのでしょうか? あるいは合併なのでしょうか?
いずれにしても、めったに遭遇しない症例ということでもないように思います。
主治医の先生の病院では対処できないという意味の話であれば、時間を置かず
に外科の得意な先生を捜された方がよろしいでしょう。

1月14日の のんの父さんと辻さんへ
プレーリドッグから人間への感染症としては、確かにペストが最も有名です。
プレの場合は、野生からの捕獲個体がまだまだ大多数を占めていますし、輸
入の途中で死亡している数と言うのも表には出て来ません。検疫制度からも外
れていますので、疾病の持ち込みについても販売者にしか責任はとえません。
また、これとても時間が経過していれば同じ事です。
しかし、飼育を始めてから長期間経過しているのであれば、これはとにかくセ
ーフということで、その個体は健康であったという判断はできそうです。つま
り飼育者自身が検疫官であり、隔離健康診断を実施中であるという意識が必要
なのです。
その他の人への感染症というのは、犬や猫と同様に考えて良いと思います。

フェレットについては、農場生産がほとんどですので、元から疾病を持ち込む
ということはあまり考慮されなくても良いと考えます。
むしろ、免疫をどこかに置き忘れてきているようなところがあり、飼育者の家
庭で各種の疾病に感染させてしまうことの方が多いはずです。

どちらの動物も狂犬病については感染の恐れは存在しますが、ワクチンは接種
されていないのが実態です。これは狂犬病予防法が人間のために制定された法
律であり、動物のために設けられたからではないからです。
海外からの狂犬病の侵入の危険と言うのは、かなり綱渡り的状態なのですが。

1月14日の よう子さんへ
文鳥に限らず、鳥が片足で止まり木にとまるというのは、不思議でもなんでも
無くごく当たり前のことのように思いますが。
それとも、骨折でもしていて まったく片方の足が使えないという相談なので
しょうか? そのような場合でしたら、羽毛の中に足を引き込んでという表現
はあまり出て来ないようにも思います。実際のところどうなのでしょうか?


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