獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200201-91

>はなさんへ
投稿日 2002年1月15日(火)13時20分 プロキオン

キチンとした処置というのは、副鼻腔炎や気管支炎、肺炎等の継発をさせない
ことを言っています。具体的な内容は目薬や抗生物質やビタミン剤や消炎剤等
の投薬のことを意味します。
これらについて、どこまでやるかは私には言及できません。それは患者の状態
に応じて主治医が判断することだからです。単純に投薬で良いものから、入院
して点滴が必要というものまで、各段階があるはずです。

副鼻腔炎は、近年どうも増えているように私は感じています。組織的に免疫や
薬剤の分布が行き渡り難いようで、病原体が残りがちになります。いつまでも
疾病がよくならないで、グズグズしがちなのですが、発育の遅延や麻酔をかけ
た際に大量の鼻汁が出て来て驚くことがあります。
一旦、鼻気管炎が治癒したように見えていても、猫本人にとってはやはりいつ
までもダメージとして残っているようです。どうしても体格が小ぶりですし、
他の病気にも罹りやすいし、鼻気管炎そのものも何度もぶり返します。

今現在、食欲があるのであれば、これは状態としては良い方ではないでしょう
か。鼻気管炎は突然死という甚急性の経過はとらない疾病なので、必ず他の臨
床徴候が見られます。食欲不振というのは、その最たるものですから、これを
見過ごしてはいけません。
動物の場合は、自覚症状を言葉で話してくれないので、飼い主が気が付くのは
全て「他覚症状(こういう言葉はないと思うのですが、とりあえず)」になり
ます。人間で言えば、周囲の第三者が不審を感じて気付く段階です。疾病もか
なり進行してしまっている状態なのです。動物といえども、早期診断早期治療
が望ましいことに変わりはありません。

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