獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200205-253

マルチレス
投稿日 2002年5月23日(木)12時28分 プロキオン

5月22日の jaffeさんへ
獣医師になりたいという希望者の書き込みは、こちらでもよく目にします。
私もたびたびレスを書いた覚えがあります。
単に動物を好きと言うだけで無く、もう一つ別の要素が存在しています。 そ
れは、獣医学が食肉や鶏卵等の生産に寄与するための学問であり、助けるより
も利用するためというのが主題であるからです。公衆衛生や薬学の分野におけ
る就職者も圧倒的に多く、全ては人間のためという基盤に立脚した学問なので
す。
それを承知の上でなおかつ動物のためにもという志を有しておられうのであれ
ば、そういうバランス感覚があれば、まあ、苦手に数学も頑張れるのではない
でしょうか? 
私の高校時代の数学の先生は500題の解法パターンを暗記してしまえば良い
のだから、単にテクニックの問題であって、考える必要はないとさえ言いまし
た。考えるからむずかしくなるのだとも。
この数学の先生は3年の時の担任でしたが、私はこの先生の授業についていけ
ませんでした。もうすぐ赤点というのが私のレベルでしたが、大学には合格で
きました。
志願者の多い学科ですので、1点にそれこそ百名を越える志願者がぶら下がっ
ています。得意な科目で点を稼ぎ、苦手では失点を少なくするというのが正攻
法ではないかな?

5月22日の チッピさんへ
膝蓋骨脱臼の手術の適応は、そのグレードによって判断され、また種々の方法
がとられます。12歳のシーズーとのことですが、今までに手術の話はなかっ
たのでしょうか?
グレードが低い症例であれば、私なら手術はしないと思います。グレードが高
く手術が避けられないものであれば、これはいたしかたありません。もし、そ
うであるなら、もっと早期に手術を検討されているべきだったかもしれません。
手術料の30万円というのも、私には高額と感じられますが、すでに相当進行
していて下大腿骨の変形まで誘発しているとか、それ以上に及んでいるという
のであれば、これはむしろ安いと判断されます。
確かに、手術料にも一般相場はありますが、患者がどのような状態にあるかを
知らなければ、判断をくだせるものではありません。動物は統一規格で生産さ
れた品物ではないのですから、個々の判断が優先されるのはいたしかたないの
ではないでしょうか。

5月22日の ちびすけさんへ
好酸球性肺炎のの疑いがあるとのことですが、この状態は一過性では無く持続
しているということなのでしょうか?
いずれにせよ、好酸球を招き寄せる反応(おそらく免疫反応)があるわけです
から、この原因を究明して、これを除去しなくてはならないと考えます。
この原因療法がとれないということであれば、現状の対症療法を継続して、患
者の負担を軽減していくことになると思います。

5月22日の プリンさんへ
犬の狂犬病ワクチンは、つい先年まで国の事業だったわけで、どのようなワク
チンを使用するか決められておりました。
まあ、今でもそれは踏襲されていますので、使用する狂犬病のウイルスの株、
培養方法、ウイルスを不活化するために殺す方法、添加するアジュバントの種
類等、統一されています。そして、製造メーカーが異なっても効果に差が生じ
ないようになっていますし、動物用医薬品検査所の検査も受けており、合格し
たワクチンのみが使用されます。
つまり、先に述べましたようにこのワクチンの中にいるウイルスは不活化操作
によって死滅しており、そのことが国の検査機関によって確認されたワクチン
だけが犬に接種されているということになります。
死滅しているウイルスが犬の体内で増えることはありませんので、これが原因
となる人間への感染はありません。御安心下さい。


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