獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200205-309

re分離不安とキジ
投稿日 2002年5月28日(火)16時30分 はたの

獣医師ではありませんがご参考まで。

あび様
 現状ではいわゆる分離不安ではないと考えられます。
 いわゆる分離不安は、家に馴染んでいて、かつ、ある程度の年齢になっていて、留守番が出来て当然なのにうまくいかない、ことです。
 ご愛犬の場合、来たばかりでしかも幼いのですから、静かに留守番ができないほうが当たり前です。

 この状態でサークルを使ってしつけようとするのには無理があり、順序の取り違えがあり、むしろ逆効果と思われます。留守番に耐えられる安定した精神の根底には、「受け入れられている、愛されている」という実感が必要なのですから。
 当面は抱いて寝ることをお勧めします。どうしてもサークルを使うのなら、ヒトが毛布を被ってサークルの隣の床で寝るなど。
 そして精神の根本が安定してから、少しずつ分離に耐えるようにしていけばよいわけなのです。といっても、ちゃんと散歩に連れ出して世界を見せるなどしていけば、多くの場合、イヌはちゃんとおとなになっていきます。
 幼い時にはちゃんと甘やかすほうが、むしろ安定したおとなになります。小さい時に愛情が不足していると(飼い主の「つもり」は関係ありません。イヌの実感として)かえって将来問題が起きやすくなります。この数ケ月間は、愛情で窒息させるぐらいに甘やかすことをお勧めします。
 
清友さま
端的にいうと、残念ながら、できることはありません。設備と時間と技術があれば雛を救命することは不可能ではありませんが、再び親に返すのはそのキジのことをよく知っていても不可能に近いぐらい困難ですし、その過程ですでに親許にいる雛に加害してしまうことも考えられます。放鳥できるまで育成することも設備と時間と技術があれば不可能ではないものの、現実には、いまからそれらを整えるのでは間に合いそうにありません。
 そのまま放置するしかない、と考えます。

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