意見交換掲示板過去発言No.0000-200206-95
犬の歯 |
投稿日 2002年6月12日(水)02時26分 はたの
獣医師ではありませんがご参考まで。 イヌの歯のケアには以下の様な方法があります。なお、いずれも主として歯の外側をケアするものです。舌が触れる内側には問題が生じにくいので。 1 歯磨き 子供用のハブラシでもいいのですが、指にガーゼを巻き付けたもののほうがより効果的かも。かなり頻繁にやる必要あり。レバー味などの歯磨き粉もあります。使ったことはないので使用感は不明。 2 歯石取り 歯垢が歯になってから取ります。飼育書などには「麻酔して病院で・・・」とあることが多いものですが、じっとしてろと命じて口を開けさせてスケーラー(歯石取り用フック状の金属製の器具)で歯肉や舌を傷つけないようにこそいでも可。ネコでさえ可能なので、ちゃんとしつけられているイヌならそう困難ではありません。頻繁にやりすぎるとかえって歯の表面を傷つけるので、加圧するある程度たまつた歯石がパキッと取れるぐらい、イヌとキスした時に口臭が気になるぐらいのタイミングで。頻繁にやるとしても数ケ月おき。ゴリゴリとこするのは不可。 3 ガム等 ジャーキー、蹄、皮ガム、豚耳などのオヤツ系から、ロープを巻いたオモチャや木の棒、骨など。オヤツ系はカロリーや栄養の偏りに注意。好むものを探して。オモチャはただ与えるのでなく取りあいっこして遊んでから渡せば大事に噛むもの。木は乾燥した角材よりも生木。刺がささりにくいので。骨はたとえ中・大型犬でも、特に歯の強度・硬度が高いわけではないので、豚の肋骨(スペアリブ)や羊の肋骨(ラムチャップ)程度が安全。豚の脚(ゲンコツ)になると、歯が割れたりします。牛蹄もすこし怖いところ。当然ながら鳥の長骨は不可。頚骨ならかまいませんが歯の掃除にはやまり役立たないか。塩分がやや気になりますが、塊のままのカツオブシなんて手もあります。 4 フード ドライフードをふやかさずに硬いまま与えるのは基本。歯石付着防止効果を謳った製品も動物病院で入手可能。やや選好性悪いものの、1、2食抜けば食べる程度。繊維が多いので当初は腹の具合がやや乱れるかもしれません。効果はそれなりに実感できます。 5 水 不足してはまずいので毎回気をつけるのはかなり大変ですが、食前には水を切っておき、食後に飲むように仕向けるだけでも多少の効果はあります。 なお、歯石の付き方は、上のような工夫よりなにより、個体の唾液のPHが強く効きます。唾液が酸性よりの付かないイヌは何もしなくても付かないし、アルカリ性寄りの付くイヌはかなり頑張ってケアしても付きます。見てればわかりますが、一度測定してもいいかもしれません。付くイヌではケアの必要性が高いものですが、つかないイヌならば過剰に気にしていじくる必要もないと思われます。 |
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