獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200207-123

アフリカオオコノハズクのシラミ
投稿日 2002年7月15日(月)02時12分 はたの

獣医師ではありませんがご参考まで。 
 すでにレスありますが・・・。

 手元の「Birds of Prey Medecine and Management」Heidenreich によりますと、「現代的なピレスロイド系のスプレーまたは粉末を10日あいだを開けて2回、で簡単に落とせる」とあります。量の指定はありません。外用ですから適当に、ってことでしょう。ちなみに書くまでもない暗黙の前提として、翼の内側(腋の下)あたりに使います。
 かかりつけの獣医師のところにピレスロイド系の殺虫薬があるなら処方していただくのが一番。
 なければ、キンチョールの類を。溶媒を考えると水性タイプ。かつ、余分なもの(ディート=忌避剤など。ヒト用の虫除けスプレーに使われていますが、猛禽が特異な感受性を持っていないかどうか不明なので)などが含まれていないもの。有効成分名をメモしてきてネットで検索すれば、ピレスロイド系かどうかは判ります。ピレスロイド系というのは合成除虫菊エキスですから、鳥への毒性はかなり弱いと考えられます。

 また、「Medical Management of Birds of Prey」Redig によると、イベルメクチン0.2mg/kg 4日連続が、「広い範囲の内部および外部寄生虫に有効で、野外からの新規搬入個体(もともと救護用の本ですんで)にはルーティンとして与えよ」とあります。経路は明記してありませんが、粉を餌にまぶして食べさせると考えてよいはずです。この場合、「与える量」ではなく「食べた量」が問題ですので、包装紙に残る分などを踏まえて、処方してもらう量はやや大目に。

 獣医学的な裏付けはなく、経験則ですが、同じイベルメクチンの牛用の滴下薬(フロントラインと同じものではありません)も使えます。ただ、小動物臨床開業医のところに常備されているとは限りませんが・・・。

 なお、上の情報は、くれぐれも、かかりつけの獣医師とご相談のうえ、自己責任でご利用ください。

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